すべてのいのち尊び平和祈る 新宗連 北朝鮮のため千鳥ヶ淵戦没者墓苑で集会 2017年12月1日

 緊迫する北朝鮮および東アジア情勢を受け、新日本宗教団体連合会(新宗連、保積秀胤=ひでたね=理事長)は11月23日、国立千鳥ケ淵戦没者墓苑(東京都千代田区)で「すべてのいのちを尊び平和を祈る集い」を開催した。「共に祈ろう!北朝鮮情勢の平和解決」との主題を掲げ、政府などに対し武力ではなく対話と協調による平和解決を訴えるもので、急な呼びかけにもかかわらず15の宗教教団から約3800人が参加し、「平和への祈り」を合わせた。

〝「絶対非戦」の精神伝えて〞 拉致問題担当大臣は「圧力」強調「対話」言及せず

 新宗連は、世界平和の実現と人類福祉の増進に寄与することを目的に結成され、今年で66年。宗教協力の推進と信教の自由の堅持を柱に、核兵器廃絶や開発、人権、環境、拉致問題などの諸課題に取り組んできた。

 開会に先立ち、シンガーソングライターの高橋亜弥さんが歌を披露し、参加者で「世界に一つだけの花」を合唱。主催者を代表してあいさつした新宗連理事長の保積氏(大和教団教主)は、東アジア諸国が相互に交流を重ねてきた歴史に触れた上で、「朝鮮半島における武力衝突と戦争への突入は、いかなる理由があろうとも回避されなければならない」と明言。「万が一、戦争となれば、拉致された日本人のみならず、多くの国々の拉致被害者が犠牲となる」との懸念を示し、信仰者として人と人、国と国との争いは避けなければならないと強調した。

 来賓として登壇した世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会理事長の杉谷義純(ぎじゅん)氏(妙法院門跡門主)は、仏教の教えである「兵戈(ひょうが)無用」の意味を紹介しながら、「戦争に勝利者はいない。信仰を持つ者はまず自らの人としての霊性に目覚め、洪水のように押し寄せる情報に振り回されず、どこに真実があるか見極める必要がある。特に危機が迫ると一層勇ましい潮流が渦巻き、それに誘惑され、さらに危険へと近づいてしまう。自分の考えを相手に押し付け対立を煽るのではなく、対話こそ恐怖を取り除き、平和への第一歩になることに確信を持とう」と呼びかけた。

 政府からは、河野太郎外務大臣の代理として中根一幸外務副大臣、加藤勝信厚生労働大臣・拉致問題担当大臣があいさつ。加藤氏は新宗連が拉致問題について高い関心を持ち、取り組んできたことを評価しつつ、国際社会に対し、北朝鮮に最大限の圧力をかける必要があると訴えてきた安倍政権の姿勢を強調。「政府と国民が一体となって国内外を通じてさまざまなプレッシャーをかけ、すべての拉致被害者の帰国に向けて尽力したい」と述べる一方、「対話」や「協調」に言及することはなかった。

 新宗連は日本政府に対し、「『すべてのいのちを尊ぶ世界』『平和な世界』の実現に向けて、緊張が高まる北朝鮮情勢を平和的に解決するため、国際社会においてあらゆる外交ルートをとおして最善を尽くす」こと、「『二度と戦争を起こしてはならない』『国際問題を武力で解決してはならない』との『絶対非戦』精神を、北朝鮮をはじめ、関係各国に伝えていく」ことを求める「平和へのメッセージ」を発表した。

 

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