【置かれた場所は途上国】 エチオピア■下■  独特な食文化 大井光一 2017年12月25日

 今回はエチオピアの生活から、エチオピア独特な文化をご紹介したいと思います。

 「本日のコーヒーはエチオピア産になります」お近くのカフェでこんなことを聞いたことはありませんか? エチオピアから帰国してすぐに、都内のカフェでかけられたそのひと言に、わたしは何だか懐かしくなりました。エチオピアは世界でも有数のコーヒー大国で、国の輸出の大部分をコーヒー豆が占めるほどなのです。もちろん、エチオピア人もコーヒーが大好きです。人によっては1日2杯飲まないと生きていけない!という人もちらほら。

 そして、不思議な点がそのコーヒーの飲み方にあります。皆さんはいつも、コーヒー豆を挽いた粉をフィルターに通してから飲むかと思いますが、エチオピアでは挽いた粉ごと一緒に沸騰させ、ろ過させずにそのままコーヒーとして飲みます。煮出して作るのでとろみが出て、濃厚な味わいです。このため、ブラックではとても強いので、砂糖を3杯ぐらい入れて飲むのがエチオピア流です。おかげでわたしも甘くて強いコーヒーが大好きになってしまいました。

 海外に行った時の楽しみの一つに、現地での食事が挙げられると思います。エチオピアでは主食として「テフ」と呼ばれるイネ科の穀物を食べています。日本ではほとんどなじみがありませんが、栄養価が非常に高く、健康志向が高い海外のセレブたちの間では人気急上昇中とのことです。エチオピアではこのテフを粉状にし、クレープのように焼いた「インジェラ」を食べています。一見クレープのように見えるインジェラですが、2日ほど常温で置き、発酵させているため、酸味が強く効いていて、初めての方にとってはとても不思議な味がします。

 クレープ状のインジェラの上におかずをたくさん載せ、ぐちゃぐちゃに混ぜながら、手を使って上手に丸めて食べるが一般的です。アフリカでもエチオピア特有の食物だそうです。インジェラは日本人にとってのお米のように、毎回の食事で必ずと言っていいほど口にします。独特の味の強さがあるため、日本人や欧米人では好きな人と嫌いな人とに大きく分かれます。日本での納豆がそうであるように、エチオピアに滞在する外国人にとって一つの関門のようにも思えます。

 コーヒーやインジェラ以外にも、エチオピアには独特な文化がたくさんあります。そんな不思議の国のエチオピア。皆さんもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

(写真提供・協力:ワールド・ビジョン・ジャパン)

 

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