初めて教会を訪れたノンクリスチャンのブログ記事「キリスト教って何？ ノンクリスチャンの私が初めて教会に行ってみた」（http://bit.ly/2r6V2Z8）が４万人以上の読者に読まれている。執筆したのは「地方を旅するエステティシャン」として、女の子を対象とした恋愛や美容に関するお悩み相談をしながらフリーランスの仕事で生計を立てる24歳のich（いち）さん（ツイッターアカウント：@mw400813）。昨年のクリスマスには、フォロワー数５万超えで話題の上馬キリスト教会（東京都世田谷区）を訪ねた。若いノンクリスチャンの視点から見えてきたのは、教会がこれまで気付けなかった新しい可能性だった。

「ノイズに振り回されず自信持って」　信じられるもの不明確な現代に

　教会は「キリスト教を信じている人でなければ入ってはいけない場所」だと思っていたichさんがキリスト教に興味を持ったのは、クリスチャンであるブロガーの友人に誘われたことがきっかけ。初めて訪れた西日本福音ルーテル教会米子福音ルーテル教会（鳥取県米子市）では、初対面の教会員から親切なもてなしを受け、同世代の女性たちと交流する中で教会のイメージが変わり、抱いていた「宗教はどこか怖い」という偏見も解消されたという。

　「実際にクリスチャンの方と接することが増えれば増えるほど、彼らだって悩み、苦しみ、時に困ったり、時に涙したりもしながら、わたしと同じように生きているという事実を知り、その偏見は少なからず間違いであったな、と今は思っています」

　12月24日のクリスマス礼拝には、ネット上でも話題の上馬キリスト教会にぜひ行ってみたいと、友人と共に参列した。この日、上馬キリスト教会には、夜のキャンドルサービスを含め延べ150人もの新来会者が訪れた。

　ichさんが、同じく上馬キリスト教会に来たのは初めてという21歳の大学生にインタビューしてみると……。

――どうして上馬キリスト教会に？

　「勉強する中でいろんな宗教や考え方に触れるうちに、どうしても排他的な雰囲気があるところも多いなと感じていたのですが、上馬キリスト教会のツイッターを見ていると、そういうところが感じられず、素敵な宗教観を持っているなと惹かれました」

――礼拝に参加してみた感想は？

　「最初はちょっと緊張していたんですが、一般の人向けにもすごく入りやすい形だったので、大丈夫でした。SNSでは確かに面白いこともたくさんつぶやかれているけど、礼拝中のメリハリがきっちりあるところも感じられて、改めて素敵な教会だなあと感じました」

撮影はかんき（@wemmick03）さん

　「クリスマスの教会は、いつもとは少しだけ違う『お祝い』ムードも相まって、わたしたちのようなノンクリスチャンでも、気軽に入って行きやすい環境になっているなと感じた」とichさん。

　教会で出会った人の中には、最初はまったく興味がなかったのに、急に教会に行きたくなったという人、家族や友人の勧めで教会に足を運ぶようになった人、人生に行き詰まり、どうしようもなくなった時に、ふと教会に導かれた人など、さまざまな人がいた。中には「周りからどう見られるか」が気になり、教会に行っていることを人に話せなかったり、クリスチャンになった後も、「このままでいいのだろうか」と悩む人たちもいると聞いた。

　ブログでは「わたしたちはいつも、周りからどう見られるかを探してしまうけど、周りのノイズにばかり目を向けてしまうと、〝自分は本当はどうありたいのか〟ということに、気付けなくなってしまう。大切なのは、周りの声に耳を傾けることではなく、自分はどうありたいのかという気持ちに、嘘をつかないこと」と綴った上で、「信じるものは一つ、『神様』であることが明確なクリスチャンの方々は、やっぱりそんな周りのノイズに、振り回されないでほしいと思うのです。だって、信じるものが不明確なこの現代に、信じて歩むことができるものがあるって、とっても素敵なことだから」とエールを送った。

　「わたしは今回、教会に足を運ぶことができて本当によかったと感じています。信じるか、信じないかは、あなた次第です。でも、何かにすがりたくて、誰かに頼りたくて、本当は弱いわたしたちに、神という絶対的な主が『あなたを愛しています』ということを教えてくれているのなら、それだけで強くいられる人たちだって、きっと大勢いるのではないでしょうか」

【取材させてくれる教会募集】
　「地方でなかなか新来者が訪れないので取材してほしい」「うちの教会でやっている◯◯を記事にしてほしい」「SNSでの発信について協力してほしい」などのご要望は、ichさんのブログまでお問い合わせください（交通費を負担していただければご相談に応じます）。http://bit.ly/2FCd7S5