「クリスチャントゥデイ」めぐり新局面 日本基督教団総会議長が改めて声明 2018年2月1日

 インターネットを主体にキリスト教のニュースを配信してきた「クリスチャントゥデイ」をめぐり、新たな動きがあった。日本基督教団は1月27日、総会議長の石橋秀雄氏による名義で「クリスチャントゥデイなど張在亨(ジャン・ジェヒョン)牧師グループに関する声明」を発表。「かつて同グループ内において、張在亨牧師は来臨のキリストであるとの信仰に誘導する聖書講義が行われていた事実や、団体・教会の活動を維持するため、メンバーが消費者金融から借り入れをするように仕向けられたり、人事指示を受けて過酷な集団生活や無償労働をさせられていた事実などについて、複数の脱会者から証言を得た」として、改めて警鐘を鳴らしている。

〝過酷な集団生活や無償労働〞 複数の「脱会者」から証言

 クリスチャントゥデイは前代表の高柳泉氏によって2002年に起業され、11年にはウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会主管牧師の峯野龍弘氏を会長に、グレース宣教会代表牧師(当時)の堀内顕氏を特別顧問に、14年には宮村武夫氏(宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師)を編集長に迎えて組織を再編。現在、月間40万ページビュー(閲覧数)の「日本で最も多くの人に読まれるキリスト教オンラインメディア」と宣伝している。

 今回発表された「クリスチャントゥデイなど張在亨牧師グループに関する声明」の全文は以下の通り。


 日本基督教団は2008年6月、議長声明において、クリスチャントゥデイに対する疑惑が解消されるまで、クリスチャントゥデイと一切の関係を持たないことを宣言した。

 2008年4月に、クリスチャントゥデイは、疑惑を指摘したキリスト教教職者を名誉毀損で提訴した。この民事訴訟の2013年11月判決において、この教職者の表現の一部に適切でない部分があったとされる一方で、クリスチャントゥデイを含む多数の関連団体・教会が張在亨牧師の影響下にある一体的なものであったことが明らかにされた。

 そして今年、かつて同グループ内において、張在亨牧師は来臨のキリストであるとの信仰に誘導する聖書講義が行われていた事実や、団体・教会の活動を維持するため、メンバーが消費者金融から借り入れをするように仕向けられたり、人事指示を受けて過酷な集団生活や無償労働をさせられていた事実などについて、複数の脱会者から証言を得た。

 このような事実があるにもかかわらず、現在のクリスチャントゥデイには、多数のキリスト教教職者等が取材を受けるなど関係しており、キリスト教界に多大な影響を及ぼしていることを、深刻に憂慮せざるを得ない。

 ゆえに日本基督教団は、クリスチャントゥデイなど張在亨牧師関係グループに対して、キリスト教として同一の線に立つことは出来ないとの判断を再確認する。

日本基督教団総会議長 石橋秀雄


 この問題をめぐっては、自身のブログで追及していた救世軍士官(牧師)の山谷真氏が、名誉を棄損したとして民事裁判で訴えられ、2013年の判決で一部記事の削除などが命じられた。しかし、張氏が韓国で設立した「大韓イエス教長老会合同福音」の宣教師が日本キリスト教長老教会や東京ソフィア教会を設立した点、クリスチャントゥデイをはじめ、株式会社ベレコム、韓国クリスチャントゥデイの住所が同一の時期があった点、韓国クリスチャントゥデイや米国のクリスチャンポストなどから資金援助を受けた点、高柳氏が張氏から牧師の按手を受けた点など、「相互に密接な関係にある構造が解明された」(2013年12月2日付「クリスチャン新聞」)。

 この間、日本基督教団をはじめ、いのちのことば社、日本福音同盟など一部の教派、団体が「取材拒否」の姿勢をとってきたが、同社では裁判の判決内容について、従業員への説明がなされてきたという。

 元従業員の1人は本紙の取材に対し、「疑惑の問題に関して、社内でも特に積極的に関わろうというつもりはありませんでした」としながらも、「会社の公式サイトに広告のバナーなどで名前を出している会社や団体はあるものの、それ以外では、会社の具体的な収入源や、資本金の金額、収支の内訳は、社長や役員から社外のみならず従業員に説明されることがありませんでした」と答えた。

 同社はこれまで、「統一協会と関係がある」との疑惑は「敵対的な韓国の教職者から出され」たものとし、日本のクリスチャントゥデイも、「異端であることを隠しキリスト教を名乗ってニュースサイトを運営している」との誤情報が流布したものの、「裁判によって事実関係を明らかにした結果、私たちの主張が認められて、統一協会としたブログの文言の削除が命じられました」と釈明してきた。

 また、編集長の交代後も、「裁判などで明らかになった正確な情報を基に、キリスト教メディア同士が理解し合えるよう、具体的に話を進めています」「私たちの信仰告白でもある記事をよく読んでくださっている方々は、私たちCTが正体を隠してやっているまやかしものか、本物のキリスト教ニュースサイトであるかを見極めておられるのではないでしょうか」(同社サイトより)と説明していた。

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