バチカン、中国と国交回復へ 解けぬ懸念なお 2018年2月11日

 バチカン(ローマ教皇庁)が、1949断絶した中国との国交を近く回復する方向で準備を進めている。中国の人民日報系紙「環球時報」も2月3日、「バチカン、まもなく中国と歴史的協議で合意」という記事を掲載した。

 中国共産党政権との関係樹立に努力してきたバチカンに、中国はこれまで、両国関係正常化の基本条件として、「中国内政への不干渉」「台湾との外交関係断絶」の2点を挙げてきた。

 バチカンと中国の対立問題の焦点は司教の任命権だ。教皇に任命権があると主張するバチカンに対し、中国は内政干渉と反論。それぞれ独自に司教を任命してきた。バチカンが中国の官製聖職者組織「中国天主教愛国会」が認可した7人の司教の破門を解き、認可する一方、中国政府は「愛国会」公認の司教選出で教皇に拒否権を与えることで一致したという。

 2013年に教皇フランシスコが就任した後、対話が進められてきたが、交渉は難航していただけに、今回合意に至った意義は大きい。しかしカトリック教会内部には、これまで中国当局の抑圧の中で「地下教会」を育ててきたバチカンに忠誠を示す聖職者や信徒を見捨てるのか、中国を支配している共産党の宗教敵視政策は根源的なもので、カトリック教会自体の「中国化」が進むだけ、との懸念が渦まいている。

 中国共産党は1949年、バチカンとの外交関係を断絶し、「愛国会」を創設し、共産党政権に忠実な聖職者を任命してきた。教皇フランシスコは就任以来、中国のカトリック教会が「愛国会」所属の公認教会と地下教会に分裂していることを憂慮し、その克服を模索してきた。

 これに対し、香港カトリック教会の前司教(2009年離任)陳日君(ゼン・ゼキウン)枢機卿が教皇宛てに書簡を送り、「全体主義国の権力に完全屈服するようなことはすべきでない」と異例の警告を行った。

 バチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿は、イタリア有力紙「ラ・スタンパ」とのインタビューで、「バチカンは中国の国家機関の改革を要求する考えはない。大切な点は信仰だ。地下教会信者たちを犠牲にする考えはないが、バチカンは中国共産党政権といつまでも対立関係を続けていくことはできない」と述べ、中国との間でなんらかの解決を模索してきたことを示唆した。

 中国では1958年以来、聖職者の叙階は教皇ではなく、中国共産政権と一体化した「中国天主教愛国会」が行い、国家がそれを承認してきた。一方、教皇に信仰の拠点を置く地下教会の聖職者、信者たちは弾圧され、尋問を受け、拘束されたりした。バチカンは司教任命権を主張し、「愛国会」任命聖職者の承認を拒否してきた経緯がある。

 「愛国会」に所属する信者、聖職者は約500万人と推定されている。一方、バチカンに忠誠を誓う「地下教会」の信者、聖職者数は700万人から1200万人と見られる。(CJC)

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