日基教団西東京教区 崔善愛氏 「国旗・国歌の強要は戦争への一歩」 2018年3月1日

 日本基督教団西東京教区社会部委員会(佐藤飛文委員長)主催の「信教の自由を守る日」集会が2月11日、同教団久我山教会(東京都杉並区)で開催され、ピアニストの崔善愛(チェ・ソンエ)氏による講演「信教の自由を表現する――内と外との一致とは」とピアノ演奏が行われた。

 同氏は、「憲法の中で一番理解されにくいものが信教の自由ではないか」と提言し、神社、お祭り、神輿というものは「宗教ではない」と認識している人が多いことを自身のエピソードを交えて話した。

 さらに、自身の子どもが通う公立中学校が卒業式で「君が代」の声量調査を行うことになったことから、教育委員に異議を申し立てたことを紹介。その意見陳述の場ではとても冷たい空気を感じたという。教職員も国歌の強制をしなければ、自身が処分されるという恐怖を抱えている。「国旗・国歌を強要することは戦争への道を歩む一歩」とした上で、教育勅語、改憲などの昨今の状況に触れ、「有無を言わせない圧倒的な暴力に対しては、おかしいと思うことを声に出し、伝えなければ何も変わらない。今始めなければもう遅い」と述べた。

 ピアノの演奏を挟んだ後半は、戦時中に朝鮮から強制連行された死没者の遺骨について語った。牧師であった崔氏の父は筑豊の寺院から遺骨を集め、朝鮮半島に近い門司に納骨堂を建設。その後、遺骨を朝鮮半島に返還しようという動きが高まった際、崔氏は歴史を語り継ぐ意味から日本に残すことを望んだ。しかし、「今も自分の息子が帰ってくるのではないかと毎日泣きながら祈っている多くのキリスト者がいる。だから、誰のものか分からない遺骨が還ってくれば、自分のことのように嬉しい」と聞かされたことを語った。

 講演の合間にショパンの曲を披露した崔氏は、ショパンの曲について「1人の人間の悲しみから生まれたとは思えない、もっと大きなものに対する怒りのようなものを感じる」と思いを吐露した。

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