天皇制支える「家族国家観」に異議 「2.11集会」で堀江有里氏 2018年3月11日

 キリスト教事業所連帯合同労働組合(星山京子執行委員長)は2月12日、「紀元節反対!建国記念日は認めない!2.11集会」で堀江有里氏(日本基督教団なか伝道所牧師)を招き、「『家族国家観』を考える――レズビアン・スタディーズの観点から」と題する講演会を開いた。

 堀江氏は「キリスト者として天皇制と向き合う際、日本基督教団の戦争責任を抜きには考えられない」と前置きした上で、近代化の過程で天皇制を支える国民管理のイデオロギーとしての「家族国家観」、戸籍制度、異性愛主義が密接に結びついてきた歴史を概観し、「家族は互いに助け合わなければならない」(24条)と明記した自民党憲法草案や、2015年の夫婦同姓制度合憲判決、女性活躍推進法、「官製婚活」などの問題点について指摘した。また、結婚を前提とする家族主義の再生産や「象徴」としての公的行為の拡大に寄与する皇室報道の事例を紹介。

 「レズビアン」として自身が問われてきた体験から、「嫡出子」を産むことができず「家族国家の構成要員として認識されない」排除される存在として、天皇制に抵抗していく主体になり得るのではないか、容易に国家体制に迎合してきた教会の歴史を踏まえると、「信教の自由を守る」という視点だけでなく、教会の内側にある天皇制と類似した構造を自らに問うべきではないかと提起した。

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