地域で出会いをどう作れるか 若者が登壇 趣向変えた2.11東京集会 2018年3月11日

 日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会、東京地方バプテスト教会連合社会委員会が後援して毎年行われている「2.11東京集会」(なくせ!建国記念の日・許すな!靖国国営化2.11東京集会)が2月11日、在日本韓国YMCAアジア青少年センター(東京都千代田区)で開かれた(同実行委員会主催)。

 今年は「これまでの議論の蓄積を若い世代に手渡し、ともに未来を切り拓いていく」ことを目的に、これまでのような講演会の形から趣向を変え、共に20代の益子亜明(あみん)さん(立教大学3年)、藤田琴子(ことこ)さん(児童福祉施設職員)が登壇。立教大学准教授の和田悠さんがコーディネーターを務めてパネルディスカッションを行った。主題は「『自由』な空間のつくりかた――憲法を『つかみ』なおそう」。

 国際基督教大学を卒業し、児童福祉施設で母子支援に携わる藤田さんは、幼少期のいじめから「自分の本心が自分でも分からない」と吐露する高校生や、世の中の求める母親像とのギャップに苦しむ女性との対話を紹介。支援する・されるという関係を越えて、今まで出会ってきた人とは違う人と出会う経験を通し、「守りたいと思える日常」を一緒に作っていきたいと話した。

 上海出身の母を持つ益子さんは、学習支援ボランティアに参加し、「安全保障関連法に反対する立教人の会(SPAR)」の立ち上げにも関わるなど積極的に行動してきた理由を、「周囲に人との違いを肯定してくれる環境があった」と振り返った。デモに参加していると、周囲の学生からは「就活は大丈夫?」「宗教みたい」という反応もある。「政治的な関心はあるし、テストやレポートでは答えられるのに行動につながらない。期待されるルートからはみ出ることを恐れ、失敗が許されないという意識が背景にあるのでは」と分析した。

 実行委員の一人である城倉啓さん(日本バプテスト連盟泉バプテスト教会牧師)と原発や安保の問題をきっかけに地域で出会ったという和田さん。「教会は祈るだけの場ではなく、社会に目を開かせる社会教育の場だと知った」との発言に対し、幼いころから教会で育った藤田さんは「自分の力ではどうしようもできないと思った時に、無力でも祈りながら考えられる場があるのは貴重」と応じた。

 和田さんは、「大学が必ずしも抵抗の場ではなくなっている中、地域で教会や若者との出会いをどう作っていくかが今後の課題」と締めくくった。

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