【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 離れてゆっくり休んでみては? キョウカイブルー 2018年3月11日 

 教会とひと口に言っても、いろんな役割や機能が求められているし、求められていなくても打って出なくてはならないことだってある。最近ブルーは何が正しくて、どうすれば良いのか分からないことが増えてきた。

 「どうして、あの人は他教会の人なのに、ウチに来ているんですか?」「ウチの会員じゃないのに何年も礼拝出席しているのだから、そろそろ転入会してもらいましょうよ」などと陰ひなたに噂される人がいる。実はわたしが所属している教会には何人もいる。中には委員会活動に関わって、実に素晴らしい働きをしておられる人もいる。だからこそ、かもしれない。教会のメンバーは、そのような「外の人」たちが気になって仕方がないのだ。また、その人たちの所属があいまいな状態に耐え難い気持ちでいるのかもしれない。一方で、所属のあいまいな人だって悩んでいる。それぞれに充分な理由が存在していて、実に深い悩みの中に置かれている。

 ある人のケースを取り上げてみる。その人は出身教会の創立メンバーで、何十年にもわたって教会を盛り立て、さまざまな応援活動を行い、見えないところでも奉仕してきた人だった。けれども、今では出身教会に通うことができなくなってしまったという。新しい牧師や役員たちと対立し、急き立てられるように追われたというのだ。失意の中で日曜日に歩き回っていたところ、ブルーが所属する教会から響いてくる賛美に惹き込まれて扉をくぐったのが出会いであった。それからあっという間に数年が過ぎてしまった。

 一度、その人からお話の詳細をうかがうことがあった。出身教会は、その人の青春そのものであった。若き日に情熱をもって宣教活動に打ち込み、仕事や生活の環境もその教会を軸にして設計してきたという。いずれは教会員や家族と共に骨を埋めることを希望し、教会墓地の整備まで成し遂げてきたともいう。信頼する友人たちは生涯にわたる付き合いを約束したかけがえのない宝物でもある。年月を重ね、神さまの元へと一人、また一人と友人たちを送っていく時代を歩んできた。

 ところが「新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるもの」とでも言わんばかりに出身教会は変化してしまった。その人は教会の大きな変化についていけなかったのかもしれない。追い出される具体的な事件があったのかどうか、その事実はあえて聞かなかったけれども、その人は出身教会に居られなくなり、それまで関わりの薄かったブルーの属する教会に来るようになったというわけだ。

 それでもブルーたちと一緒に過ごして数年が経つ。その人は出身教会で担ってきた大きな責任から解放されたように穏やかで、いつも笑顔で礼拝に出席されている。その人が言うには、数年来の「宿り木」として出席させてもらえた教会にも愛着がわいてきたし、助けてもらった義理も感じているという。やがてはこちらの教会に転入会するのが筋だろうともいう。けれども、出身教会への愛情は、その人の言葉の端々から響いてくるのだった。

 わたしたちは語り合った。転入会はいつでもできる。そして、今はその時ではない。青春を注いだ出身教会に、いつの日にか帰ることができるまで待ってもいいんじゃない? だって出身教会の存在は、人生そのものなんだもの。「宿り木」教会には、「宿り木」教会としての役割だけを期待したらいい。教会には「一時的待避所」の役割だってあるのだから、と。

キョウカイブルー
 青葉良好(あおば・りょうこう)革新的なテクノロジーには目がないインテリ系電脳牧師。クールに見えて実はツンデレ。電子機器を駆使して仕事をどう能率良くできるか、いつも考えている。メンバー内では最年長。武器:最新型タブレット「なんでもできるホン」/必殺技:プチニンノーダー(整理整頓)/弱点:新型ガジェット

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