木村草太氏、小林正弥氏 新宗連集会で「信教の自由」語る 2018年4月1日

 立正佼成会(川端健之理事長)はじめ仏教系諸団体で構成される新日本宗教団体連合会(新宗連)の信教の自由委員会は3月9日、「現代社会と信教の自由公開講座」を開催した。法学者の木村草太氏(首都大学東京教授)と政治学者の小林正弥氏(千葉大学教授)が登壇し、会場のセレニティーホール(東京都杉並区)に約170人が参加した。

 木村氏は「憲法と宗教」と題し講演。憲法第20条「信教の自由と政教分離」について解説した後、戦後に起きた宗教に関わる七つの裁判と判決事例を、「信教の自由に関わる判例」「信教の自由と自己決定権」「政教分離に関する判例」「政教分離と公有地」の四つのグループに分けて紹介した。

 また信教の自由とは、内心で何を信じるかを憲法で絶対保障されている「内心面での自由」、個人の信仰を問うことを禁じた「信仰告白を強制されない自由」、団体として活動することが保証される「宗教活動の自由」の三つの柱から成ると解説。

 さらに政教分離の三つの柱は、国家が特定の宗教と結び付くのを阻止する「信教の自由の環境づくり」、宗教団体の領域を確保し、国家権力を公共的権力とする「宗教から国家を守る」、国家が人をコントロールするのに宗教を利用させないための「宗教を国家から守る」であると提言した。

 愛媛県が数回にわたり、県の公金から靖国神社に玉串料を奉納したことを違憲とする「愛媛玉串料上告判決」など七つの判決事例を通し、日本では「個々の信教の自由のための環境づくり」という側面に重きが置かれていると言及。「日本の裁判所は、宗教の自由や政教分離など、一人ひとりの人権を守るために非常に重要な役割を果たしているのではないか」と締めくくった。

 社会人や学生を対象に、対話型講義を展開している小林氏は、当日も会場参加型の講義を実践。現行憲法、国家神道、憲法改正などについて、賛成派、反対派のさまざまな意見を求めた。また、「理念的議論ができるのが宗教なので、宗教の公共性は大切」と主張。最後に、「公共とは多様な価値観を大切にすることであり、他者の意見に耳を傾けることで自身の意見が深まる」と結んだ。

 新宗連は1951年の結成以来、8月15日に国立千鳥ケ淵戦没者墓苑で「平和祈願式典」を開催、靖国神社公式参拝反対を掲げるなど「信教の自由」を守る活動を続けている。

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