中米コスタリカ大統領選 福音派ファブリシオ氏落選 2018年4月3日

 コスタリカ共和国の第47代大統領選挙において、与党、中道左派のカルロス・アルバラド氏が60%を超える得票で初当選。国際社会が、二人のアルバラドの一騎打ちとして注目していたが、左派カルロス・アルバラド氏(38)と右派ファブリシオ・アルバラド氏(43)が接戦を繰り広げた。カルロス氏の就任は5月8日となる。

 対抗馬となった大統領選候補者ファブリシオ・アルバラド氏は、著名な福音派宣教師であり、コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックの歌手(楽曲に「Tu amor es todo :あなたの愛は永遠」など)でもある。とくに南北アメリカ大陸における人権問題として、米州機構の人権裁判所(コスタリカ首都サンホセに本部設置)が、同国政府に「同性婚」を認めるように求めていた。ファブリシオ氏は、米州機構からの離脱も辞さないと訴えて、第一回投票では13人の候補者中、第一候補者となっていた。なお第二候補はカルロス氏であった。

 「同性婚」の是非を問うた今回の大統領選挙の背景には、揺れる「キリスト教国コスタリカ」がある。同国は、1949年制定の憲法において、ローマ・カトリックを国教とし、同時に信教の自由も掲げた。約485万人を数える国民の8割以上(カトリック62%、プロテスタント21%)がキリスト教に属する。根強い伝統的な価値観の支持を受ける形で福音派ファブリシオ氏が躍進していたが、大統領選では破れた。

 米国、ブラジルに限らず、長引く不況による生活不安の増大、伝統的価値観への回帰を背景にした南北アメリカ大陸における福音派の政治的台頭が近年目立っている。国境をこえた新たな「バイブルベルト」の形成を指摘する識者もある。中米では比較的治安が良いといわれるコスタリカであるが、2016年には殺人事件の発生件数が、同国の過去最高を記録(12.1人/10万人 ※日本では0.3人/10万人)。次期大統領カルロス氏は、経済問題や常態化した麻薬目当ての強盗・殺人などに取り組むこととなる。

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