中国が宗教対策を党中央直轄へ 夏寶龍氏が政協の秘書長に 2018年4月21日

 中国はこれまで宗教組織と宗教活動の統制、管理を国務院国家宗教事務局(宗教問題事務局)の管轄としていた。それが3月21日、最高権力機関「全人代」(全国人民代表大会)での決定に伴い、共産党中央統一戦線工作部担当に変わった。カトリック系「アジア・ニュース」が報じた。

 中央統一戦線工作部は、共産党と非共産党員との連携、チベットや台湾に対する反党勢力への工作を含めた祖国統一工作などを担う部署。宗教統制の強化によって、信者たちの思想を祖国統一へのパワーに結びつけるのは中国共産党の任務という。国務院から中央統一戦線工作部へ移管するとの決定は、2月に開かれた共産党の最高指導機関「中央委員会」の総会で承認された。移管は2018年内に完成の予定。

 今回の移管は、2017年10月の党大会で、習近平総書記(国家主席)が打ち出した宗教管理を強化する方針に沿ったもの。習氏は「全人代」大会初日の18日、党トップとして初の政治報告で、宗教活動を「社会主義社会に適応するよう積極的に導く」と表明した。宗教活動を党の政策や指導方針に適合させる「中国化」を強調、宗教政策を担当する党幹部も「国家の利益や社会の公益に関係する宗教事務の管理を強化する」と明らかにした。

 国家宗教事務局元副局長の陳宗栄氏は、この機構改革について「宗教の中国化方針を堅持し、統一戦線と宗教資源を統率して宗教と社会主義社会が相互に適応するよう積極的に指導することを党の宗教基本工作方針として全面的に貫徹する」と説明している。

 今回の移管で、キリスト者に衝撃を与えたのは、教会堂からの十字架強制撤去を行った浙江省の夏寶龍(シャ・バオロン)前党書記(66)が3月14日、人民政治協商会議(政協)の第13期第1回会議で秘書長兼副主席に選出されたこと。習近平国家主席派で「全人代」環境・資源保護委員会の副主任委員(副委員長)だった夏氏が、党中央への助言組織とされる同会議の権力者の地位に就いたのだ。

 浙江省で夏氏は2003年から活動していた。当時の4年間は習近平氏が同省の党書記だった時期に当たる。夏氏は12年から17年4月まで同省党書記だった。その時の3年間、十字架撤去と教会堂破壊が都市計画のためとして行われた。

 13年末から16年4月まで、プロテスタント教会を中心に約1500の十字架が撤去された。十字架を守ろうとした牧師、信徒は拘留、脅迫、告発された。その弁護に当たった弁護士も告発された。(CJC)

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