【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 子どもに応じた配慮 キョウカイゴールド(2代目) 2018年4月21日

 わたしの勤務する学校では、校内で定期的に教職員研修を行っている。研修を通して、教師自身が学びを深め研鑽を積み、子どもたちの理解を深めることを目指している。そのうちの一つに、自閉スペクトラム症などの特性のある子どもへの理解と関わりがある。

 研修では、実際に小学校通級教室の経験者で市の幼児教育アドバイザーでもある講師から基本的な知識を学び、自閉スペクトラム症を障害として受け止めるのではなく、「生まれながらの脳の働きの違い」と考え、特性のうちの一つとして捉える。そのことを踏まえ、どのように関わり、どんな支援ができるかを学び、さらに授業で役立つ効果的な声がけや取り組みなどを教えてもらう。

 また、実際に授業中の教室や休み時間の子どもたちの輪の中にも足を運び、気になる子どもたちの様子を注意深く観察しながら、個に応じた指導方法を追求する。教員は、講師からの報告やアドバイスを自分自身が省みるだけでなく、学年や学校全体で分かち合いながら子どもたちを見守っている。

 そんな協力体制の中で劇的に変化した子がいる。Aは普段から自分勝手に思われる行動が目立ち、座席の周辺の子の保護者から、「困っている」と名前が挙がることがしばしばあった。また英語の授業になると極端にやる気を失う様子が見られ、教員が横で一緒に口を動かし発音を繰り返しても、改善されずにいた。その状況を見た講師からは、授業中の一つひとつの行動を総合的に考え、「やる気がないのではなく耳から聞くことが苦手なのだろう」とのアドバイスをもらった。苦手意識やうまく行かないもどかしさが引き起こしていた行動だったのだ。だからできるだけAの「困り感」を減らすことができるように、対応の仕方を工夫していった。また多少のことは見逃したり、加減をする中で、できたら褒め、注意をしないということを繰り返すと少しずつ変わっていった。

 教員にとっても、信頼できるアドバイザーの助言だからこそ、すぐに子どもへの対応を変えることができた。Aにとって聞くことが苦手なら、他の子と同じ程度を求めるのは酷だと受け止めることはたやすいことだった。その子にとって「苦手なこと」を受け止めることで、その子に応じた成長を評価し、その子なりの変化に目を向けるということなのだ。

 講師が常々口にする言葉に「みじん切りの指示」というものがある。これは、分かりやすく、具体的な指示をしようということだ。だからこそ目に見えて分かる指示、例えば黒板に文字を書き、写真や実物投影機を用いて視覚的に情報を提示し、細かく指示することがとても大切だったのだ。

 教会や学校で行われる礼拝で、大切にしている説教や教会学校(CS)の話に目を向けてみると、耳からの情報が中心となっていることに気づく。話を理解するための手助けになるような、視覚的に訴える物があったり、実物を提示して話が進められれば、聞く人にとってとても分かりやすいものになるのではないだろうか。

 わたしが勤務する学校では、毎朝の礼拝でプロジェクターを用い、紙芝居や絵本などはスクリーンに写しながら行っている。特性を持つ子どもたちに配慮することは、それ以外の人にとっても分かりやすく、理解しやすさにつながる。

 教会でも新来会者や、教会歴の浅い方への配慮を今一度考え直してみるのはいかがだろうか。

キョウカイゴールド(2代目)
 金刺羊子(かねさし・ようこ)キリスト教主義の小学校で〝こひつじ〟たちを放牧する癒し系ひつじかい教師。時には保護者のひつじかいにも変身。イエス様のファンクラブが、子どもたちから家庭へと少しずつ広がっていくことを目論んでいる。武器:喜怒哀楽に合わせてコロコロかわる表情/必殺技:褒めホメ攻撃/弱点:虫

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