【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 みんな罪人! キョウカイホワイト 2018年5月1日

 政治がずっとごたごたしていますね。ここをお読みの方は恐らく今の政府のやり方に腹を立てている方が多いのではないかと思います。あ、政府を応援している人もいらっしゃいますかね。小生には政治も世の中全体も、タガが外れてしまっているように感じられます。今の政治家や官僚が悪いせいかと言われたら、確かにそうです。政権を持っている側も持っていない側も、もう少しまともなことができないものですか、と言いたくなるようなことばかり……。

 しかし、小生には官僚の知り合いが何人かいますが、わたしの知る限り謙虚で知恵のある方々ばかりです。国会議員の知り合いはいませんが、市会議員とお茶を飲んで話したことはあります。その方も所属する政党の国会議員が的外れな質問をしたことについて指摘したところ、顔を真っ赤にして謝ってくれました。だからどうした、と言われればそれまでですが、人を職業だけで判断するのは危険ですね。

 それにしても、どうしてこんな世の中になっちゃったんですかねぇ。いわゆる右にしても左にしても、一部の悪人さえ排除してしまえばどうにかなるんじゃないかという短絡的な思考に陥っている点では、同じであるように見えます。そして、自分にとって不都合な出来事はすべてなかったことにして、悪人に対して非寛容的な態度を貫く点でも同じではないでしょうか。自分の正しさを疑えない態度で、人を変えることができるでしょうか。人を人とも思わないことばが、人の心を動かすでしょうか。自分の正しさに酔う人は、やがてひどい二日酔いに悩むことにならないでしょうか。

 小生には一握りの悪人がいて、その人たちだけのせいだとはどうにも思えないのです。結局のところ、人間はみんな罪人なんです。イエス・キリストを救い主と信じようが信じまいが、何を言おうが食べようが、どうにもしようのない存在なのです。「キリ新」を読むみなさんにとって、正しく見える人もそうでない人も、神の前には等しく罪人で、同時にそのために自らのひとり子を遣わすほどに大切な存在なのです。ここを出発点にしない限り、何をやってもうまくはいかないんじゃないですかね。

 こう考えるようになったのは、今の政治状況を見てのことではありません。小生の所属教会で主任牧師が突然辞任したことは以前書きました。その後、小生は主任牧師派と反・主任牧師派、どちらの立場の方のお話も聞くことができました。そして分かったのは、どちらの立場もそれぞれの理想とする牧師や教会のイメージがあって、それを基準に相手を裁いているということでした。しかし、自分の理想そのものが正しいかどうかは、誰も問題にしていませんでした。自己義認という使い古されたことばが、改めて重く響きました。

 人間がみな罪人であるなら、人間の集まりはどれも罪人の集まりです。教会が他の集まりと違うのは、自分たちが罪人であることを「知っている」ことにあります。この認識が深まってこそ、イエス・キリストを救い主とする信仰も深まります。

 感情や思いつきに支配されるのではなく、自らの罪深さを思う謙虚さを持ちたいと願います。ことばや行いの揚げ足とりではなく、相手の心に深く届くことばは、そこから紡がれるはずです。その時、小生のことばにも聖霊の息吹が宿ることでしょう。

キョウカイホワイト
 白鳥 剛(しらとり・ごう) 通勤電車内での読書を愛するウンチク系ものしり博士。キョウカイジャー唯一の一般信徒。妻との生活を守るため、職場の理不尽に耐える姿はまさに社畜。武器:理屈/必殺技:おだやかな論破/弱点:ピーマン

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