【聖書翻訳の最前線】 新約聖書①「上がっているとき」(マルコ1章10節) 2018年5月21日

新約聖書

①「上がっているとき」(マルコ1章10節)

 従来訳は、イエスの受洗に伴って起こった出来事を、 水から上がった後の出来事として訳しています。

水の中から上がるとすぐ、天が裂けて〝霊〟が鳩のように御自分に降って来るのを、御覧になった。[新共同訳]

 しかし、原文では「彼は見た」という短い主文に三つの現在分詞がかかっています。これは主文の動詞と同時に起こった出来事を指しています。つまり、水から上がりつつイエスが見ると、天が裂けつつ、鳩が下りつつあったのです。そこで、聖書協会共同訳は次のように、ダイナミックな描写となりました。

そしてすぐ、水から上がっているとき、天が裂けて、霊が鳩のようにご自分の中へ降って来るのを御覧になった。 [聖書協会共同訳]

(『聖書 聖書協会共同訳―特徴と実例』より)

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