キリシタンの痛みを覚え 上智大学が浦上四番崩れ連続講演会 2018年7月11日

 長崎で起きた大規模なキリシタン弾圧「浦上四番崩れ」から150年になるのを受け、「信仰の遺産――『浦上四番崩れ』150年の『旅』」と題した連続講演会が、6月23日に上智大学中央図書館(東京都千代田区)で行われ、約210人が参加した。この連続講演会は上智大学キリスト教文化研究所(竹内修一所長=同大教授)が毎年6月に行っているもので、今回が46回目。

 登壇したのは、レンゾ・デ・ルカ(イエズス会日本管区長)、藤原淳賀(青山学院大学教授)、古巣馨(長崎純心大学教授)の3氏。

 レンゾ神父は「信仰伝承の証しとしての『旅』を考える――なぜ信仰が伝わったのか」と題し講演。キリスト教迫害が始まった16世紀から、ベルナール・プティジャン神父が信徒を発見する19世紀までのキリシタンの信仰の姿を、スライドを多用して解説した。

 16世紀に日本で宣教活動に努めたグネッキ・ソルディ・オルガンティノ神父(1533~1609年)、アレッサンドロ・ヴァリニャーノ神父(1539~1606年)がローマのイエズス会に宛てた書簡を通し、キリシタンたちの信仰の熱意を解説。また、伊東マンショによるシクスト五5世教皇宛ての感謝状(1587年)や、後に「日本二十六聖人」となる、1596年に殉教した26人を聖人として認可することを求める「京坂信徒代表列聖請願書」(1604年)など希少な資料も紹介した。

 キリシタンの間で伝承された独特の祈祷文「コンチリサン」や「オラショ」の一部を紹介した後、「隠れキリシタンは独自の信仰を持っていたという指摘もあるが、キリスト教弾圧下だったので信仰の形をぼかす必要があった。隠れキリシタンが異なった信仰を持っていたわけではない」と結んだ。

 続いて「浦上四番崩れを通して見るカトリック伝統の豊かさ――プロテスタントの視点から」と題し、藤原氏が登壇。

 苦難がキリシタン信仰の要だったのに対し、プロテスタントは痛みを論じてこなかったのではと提言。また宗教改革を「断捨離」に例えた時、うっかり捨ててしまった宝に「聖母マリアの伝統」があると言及。「ルターはマリア信仰が行き過ぎて、キリスト信仰が押しやられたことを危惧したのであり、マリアに対する崇敬は持っていた。プロテスタントは、カルヴァン登場以降にマリア信仰を失った」と指摘した。

 最後に古巣氏が「旅する教会の神秘――受けて、証しされた信仰」と題し講演した。講演会終了後、竹内氏の司会により、3人の講師によるシンポジウムが行われた。

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