【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 「褒めホメ攻撃」から「ぎゅっ攻撃」へ キョウカイゴールド(2代目) 2018年7月11日

 新学期が始まって3カ月が過ぎようとしている。遠足、授業参観2回、運動会、保護者との面談、水泳学習などの大きな行事を終えて、7月には夏休みを迎えようとしている。子どもたちは、新しいクラスにも慣れて落ち着いてきたところだ、と言いたいところだが……目下の課題がある。それは、お友だちに手を出てしまうA君だ。

 A君は、元気いっぱい、好奇心旺盛な子どもだ。学年が上がり新しいクラスに変わって間もなく、お友だちとのトラブルが絶えなくなった。4月当初は、多少落ち着きがなくとも様子を見守っていた。クラス替えがあったことや、周りの環境が変わったことも関係していると思ったからだ。しかし、様子が落ち着くことはなかった。具体的には、お友だちに当たりながら列に並ぶことや、授業中の奇声や椅子のガタガタ音、お友だちを叩く、つねるなど挙げ始めるときりがなく、自分勝手な行動が目立っていた。

 そこで前回の本欄でも述べた、小学校通級教室の経験者で、市の幼児教育アドバイザーでもある学校カウンセラーの講師に、授業も休み時間も半日観察してもらった。椅子のガタガタやお友だちのトラブルなどを総合的に見て、「イライラが溜まっているから落ち着きがないのでは」とのお話だった。

 その子と関わる上での具体的な助言を尋ねてみると、①否定的な言葉を使わないこと、②話をよく聞いてあげること、③叱るのではなく教えるという姿勢を大切にするように、とのことだった。またそつまずの他にも、その子の躓きやできないことは、「大人の責任」という心づもりで、躓きを取り除いてあげたり、躓かないように工夫することがわたしの仕事なのだと教えられた。具体的かつ分かりやすいアドバイスで、気持ちを新たにすることができ、保護者の方にもこのアドバイスをお伝えする機会も設けた。

 しかし、3週間経ってもA君の状況は改善されず、むしろ悪くなっていった。アドバイスを実践し、試行錯誤をしながら見守ったが、八方ふさがりになってしまった。さらに先ほどの行為に加えて、静かに話を聞く時間に手をパチパチさせたり、朝の会中に宿題を出しに行ったり、授業のあいさつにも毎度遅れるようになった。

 あまり注意されなくなったことをいいことに、調子に乗っているかのようである。周囲の子どもたちも疲れを覚え、うんざりしているように見えた。わたしも手を尽くした感が否めず、褒めホメ攻撃も効果がなかった。学校中の職員でA君に声をかけ指導する日々が続き、目の上のたんこぶ状態で悪循環に陥っていた。

 こんな状況から、もう一度講師にアドバイスをいただくことになった。すると先生は、「学校にとっては、厄介でたいへんな子かもしれないけれど……どの子も、愛してやらなくちゃね」と笑顔でおっしゃった。クラスの子たちもうんざりモードだったが、わたし自身が一番うんざりしていたのかもしれない、と気づかされた。

 今は、保護者の協力も得ながら、「ぎゅっ攻撃」で、スキンシップを多めに取ることを心がけている。まだまだ試行錯誤の連続のA君との毎日だが、いつもあなたのことを応援しているよ、というスタンスに立ち続け、励ましていきたい。それが、わたしにできる「愛すること」だと思うからだ。イエスが教えられた「互いに愛し合う」を、わたしたちの近くにいる人から実践してみませんか?

キョウカイゴールド(2代目)
 金刺羊子(かねさし・ようこ)キリスト教主義の小学校で〝こひつじ〟たちを放牧する癒し系ひつじかい教師。時には保護者のひつじかいにも変身。イエス様のファンクラブが、子どもたちから家庭へと少しずつ広がっていくことを目論んでいる。武器:喜怒哀楽に合わせてコロコロかわる表情/必殺技:褒めホメ攻撃/弱点:虫

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