【速報】 ナイジェリア 州警察がキリスト教徒のデモ行進を攻撃 2018年8月2日

 深刻な社会的分断と対立を抱えるナイジェリアで、再び流血の惨事が起きた。

 8月1日、ナイジェリア北東部アダマワ州の州都ヨラで、警察がブハリ大統領公館を目指したデモ行進に催涙弾を発射。発砲もしたと見られ、負傷者多数。サハラ・リポーターズ、DMITV社など現地各紙が報じている。

 デモ行進は「ナイジェリア・キリスト教協会(Christian Association of Nigeria:CAN))」によって組織され、州都ヨラのローマ・カトリック聖テレジア教会から大統領公館を目指していた。6月にプラトー州で発生した、牧畜民フラニ族(イスラム教徒が多数)による、農民(キリスト教徒が多数)86人への虐殺事件への政府対応を含む、43のキリスト教村落など共同体への攻撃に対する抗議だった。

 現地は、州名「アダマワ」が、著名なイスラム教指導者アダマ師に由来するように、イスラム教と関係の深い地域である。加えて2014年には、近隣のボルノ州、ヨベ州とともに、アダマワ州では、過激派組織ボコ・ハラムの問題で緊急事態宣言が発令された。同国では2月28日にも、中部カドゥナ州でキリスト教徒とイスラム教徒の衝突が起き、13名が死亡する事件があり、深刻な宗教対立が問題となっている。

 とはいえ、ボコ・ハラムの暴力的な印象に引き摺られ、フラニ族など、イスラム教徒の牧畜民だけを加害者として見ることはできない。プラトー州の事件においては、ヌグハル村のイマーム(イスラム教指導者)がキリスト教徒300名を危険を顧みずに武装攻撃から匿い、知事から「ナイジェリア全土の平和の象徴」として表彰を受けている。一方で、キリスト教会の腐敗も社会問題となっている。たとえば、つい先日、オンド州において自称預言者ジェイムス・アビオドゥン・アデニーイ牧師が詐欺の疑いで逮捕された。若者が出稼ぎのために苦労して取得したパスポートを略取し、無職若者への仕事斡旋を約束して前金を詐取した疑いだ。

 世界第7位、1億9千万人の人口を擁するナイジェリアの社会不安は、同国の北部と南部の対立という歴史的経緯、牧畜民と農民の対立という伝統的問題の上に、汚職にまみれた政府に対するボコ・ハラム、イスラム教とキリスト教という複数の問題が、1963年の連邦共和国の成立以来、くり返される共和制と軍事政権の交代の中で複雑化し、混迷を極めている。

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