韓国史教育のソウル大名誉教授 李元淳さん死去 2018年8月11日

 韓国紙『朝鮮日報』(日本語電子版)は、韓国で歴史教育界の重鎮として知られる李元淳(イ・ウォンスン)ソウル大学名誉教授が8月10日に死去したと報じた。

 1926年に平安北道平原生まれ。92歳。京城師範学校を経て49年にソウル大学教育学部歴史科を卒業し、米ピーボディ大学などで研究を続けた。その後は中学と高校の教師、漢陽大学教授を経て67年にソウル大学に赴任、教育学部長などを歴任した。定年後は民族文化推進会の会長、国史編纂委員長などを務め、韓国の歴史学や民族文化の発展に貢献した。

 李氏は『歴史教育論』『歴史教育――理論と実際』などの著書を通じ、それまで韓国ではほとんど研究が行われていなかった歴史教育学の基盤を作った。『韓国から見た日本の歴史教育』(日本語)、『日本の教科書、何が問題か――正しい歴史認識のための批判と提案』などの著書では韓国と日本の歴史教育の違いを解明した。一方で両国の交流にも力を尽くしてきた。

 熱心なカトリック信者だった李氏は、朝鮮時代後期のいわゆる西学やカトリックの歴史なども熱心に研究し『韓国天主教会史研究』『韓国西学史研究』などの著書でも知られる。『韓国カトリック大事典』(全10巻)編纂事業ではリーダーを務め、またカトリック教会が設立した韓国教会史研究所などでも活動した。

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