死刑全面反対へ、教皇が『カテキズム』の一部書き換え 2018年8月11日

 カトリック教会は8月2日、信者に対する教理の手引き『カテキズム』の一部を変更し、死刑はいかなる状況においても容認できないと明記した。

 教皇フランシスコは、『カトリック教会のカテキズム』中の死刑について言及する部分の変更を承認。これにより、「教会は福音の光に照らし、『人間の不可侵性と尊厳を侵害することから、死刑は許容しがたいもの』と教えている」と、書き換えられた。『バチカン・ニュース』によると、教理省長官ルイス・ラダリア枢機卿が8月1日付で文書を発表した。

 教皇が5月11日、同枢機卿への接見の席で、『カトリック教会のカテキズム』の新たな内容を認可すると共に、それを各言語に訳し、同カテキズムのすべての版において、挿入するよう命じたことも、今回の文書文で明らかにされた。教理省は、同じ8月1日付で、「死刑をめぐる、『カトリック教会のカテキズム』の新しい内容に関しての、司教への書簡」を公布。変更の経緯と、前任の教皇たちの死刑をめぐる教え、そして、教皇フランシスコによるその継続性に触れている。

 今回の方針変更は、米国など死刑が合法とされている国から強い反発を招く可能性もある。人権団体『国際アムネスティ』によると、昨年死刑が宣告された国は53カ国、このうち23カ国で少なくとも993人が処刑された。執行が多かったのは、中国、イラン、サウジアラビア、イラク、パキスタンだった。米国の処刑は23人で、アムネスティは同国は米州で唯一死刑を執行している国だと付け加えた。

 欧州では、大半の国で死刑が禁止されており、昨年死刑を執行した国はベラルーシのみ。一方、昨年末までの時点で死刑を禁止した国は106カ国だった。(CJC)

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