日本国際飢餓対策機構がロゴ、名称一新「Hunger Zero」へ 〝飢餓ゼロ〟への新たな挑戦 2018年8月24日

「わたしから始める、世界が変わる」を合言葉に、世界の貧困・飢餓問題に取り組んできた日本国際飢餓対策機構(清家弘久理事長)が生まれ変わる。鮮やかな色の新ロゴを掲げた「コンセプトノート」では、「働きを担っているわたしたち自身がまず変革されることから始める。名称やロゴ・デザインを一新するだけでなく、支援の担い手としてのあり方そのものを時代に合わせてイノベーションしていく」との力強いメッセージが目を引く。

 8月6日、同機構の通称名を「Hanger Zero(ハンガーゼロ)」に変更したことを報告する記者発表会をお茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で開催した。同機構は1981年に創設され、非営利の民間海外協力団体(NGO)として世界の貧困・飢餓問題の解決のために活動してきた。当初は「飢えた人にあなたのパンを裂き与え」(イザヤ58:7)という聖書の言葉から「Food for the hungry」と名付けられた。シンボルマークの魚(イクトゥス)は「心の飢餓」、麦は「肉の飢餓」を表している。

 現在は国際飢餓対策機構連合(FHIF)の一員として、世界18カ国55の協力団体と共に、アジア22カ国、アフリカ25カ国、東ヨーロッパ4カ国、中南米8カ国、オセアニア3カ国など、六十数カ国の現地パートナーと協力し、「こころとからだの飢餓」に応える活動をしてきた。目まぐるしく変わる社会状況の中で、さらにその活動をより分かりやすく発信し続けていくために、今年3月の理事会で新しいロゴの作成、CI(コーポレート・アイデンティティ)を検討。6月の理事会で「ハンガーゼロ・コンセプトノート」の承認を得、新たなスタートに踏み切った。

 新ロゴのデザインを手がけたのは、ロゴス・デザインの長尾優(まさる)氏=写真上。世界の苛酷な現実を伝えなければならないという活動の性質上、時には暗い印象を与えることも避けられないが、新しいロゴは、「むしろすっきりとした力強さや安心感、未来への希望がストレートに伝わるように、現代的でスタイリッシュな書体と爽やかなオーシャンブルーの色で構成」。〈Z〉のイニシャルに開かれようとしているドアの形を重ね、「HungerとZeroとの間にある緊張関係を克服し、『飢餓ゼロへの挑戦』という扉を開けることへの静かな決意」を込めたという。

 変更に至る経緯について清家氏は、「日本国際飢餓対策機構という漢字10文字の団体名から、政府の外郭団体を連想されることが多くなった。社会情勢が大きく変わる中で、より若い世代に広くアプローチをしていくためにモデルチェンジが必要との考えに至った」と説明した。

 団体名が変わることによってこれまでの活動が大きく変化することはない。また、日本国際飢餓対策機構(JIFH=Japan International food for the Hungry)の団体名は、一般財団法人の名称として、さらには海外向けの名称として今後も残る。

 会見では西日本豪雨災害被災者への支援活動の最新状況も報告。親善大使である小堀英郎氏はピアノ演奏を披露し、自身が同行するウガンダサマーキャンプについての思いも語った。

 企業パートナーとして長く協力関係にあるパン・アキモト社長の秋元義彦氏は、ビデオによる激励のメッセージを寄せ、「食品を扱う企業としてお腹を満たすことと共に、心を満たすことの重要さも常に考えてきた。阪神・淡路大震災を契機に、国際飢餓対策機構と連携したプロジェクトが被災地や海外の飢餓地域に広がり始めている。地球人の一人として、食に窮する隣人のためにアクションを起こそう」と呼びかけた。

 「国連も2030年までに世界の飢餓をなくすことを目標として掲げている。支援者のすそ野を広げ、潜在的な支援者を開拓していきたい」と意気込みを語った広報担当の鶴浦弘敏氏は、毎月3万部発行する機関紙も「ハンガーゼロ・ニュース」として紙面を刷新し、9月上旬には新しくウエブサイトも公開する予定であることも明かした。

 秋には2018年の世界食料デー(10月16日)も開催を控え、今年は北海道・札幌大会、神奈川・横浜大会、静岡・浜松大会の3大会が加わり、全国29会場での開催が計画されている。

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