8・15集会各地で開催③ 天皇代替わり問題で「十戒に立ち戻れ」(仙台キリスト教連合) 2018年9月1日

 宮城県仙台圏内の教会による超教派ネットワーク「仙台キリスト教連合」(世話人・阿部頌栄=日本ナザレン教団仙台富沢教会牧師)は8月12日、「平和を求めるキリスト者合同祈祷集会」をカトリック元寺小路教会(仙台市青葉区)で開催し、約70人が参加した。この集会は同連合が毎年8月15日の直前にあたる主日に催しているもので、今回は来る「大嘗祭」を前に、「『天皇代替わり』に信仰者がどのように向き合うか」をテーマとして掲げた。

 仙台ではこの間、日本基督教団、日本キリスト教会、日本バプテスト連盟から有志の牧師が「天皇代替わりを考えるキリスト者の会」を結成し、昨年来、公開講演会を開催してきた。

 司会を務めた川上直哉氏(日本基督教団石巻栄光教会牧師)=写真右=は、米騒動から大正デモクラシーが生まれ、関東大震災と治安維持法へつながる100年前の流れと、10年ほど前の反貧困運動から民主党政権が生まれ、東日本大震災と安倍政権による改憲の動きへとつながる流れを重ねて、「100年前に見落とされがちなのが、昭和天皇を神格化する大嘗祭があったこと。当時、それを批判したキリスト者の声を知らない。今、次の天皇がまた皇祖の霊を受けて神になろうとしている。教会は、そのことに注目し、学び、祈らねばならない」と訴えた。

 講師の小河義伸氏(日本バプテスト連盟仙台基督教会牧師、元NCC副議長)=写真左=は、1944年の教団新報から、「福音は受肉する必要がある、受肉する先は国家である、従って、教会は福音に根ざし全力で戦争に協力するべし」という教団の方針が発表されたことを紹介。日本の教会が第二次世界大戦を遂行する国家に全面協力した史実を踏まえ、天皇の代替わりの際に十戒の「第三戒」が犯されること、1989年に行われた先の「代替わり」で見られた危機感が、今日のキリスト教界で見られないことを指摘した。

 講演を受けて布田秀治氏(日本基督教団泉愛泉教会牧師)が、これまで行ってきた勉強会の成果を踏まえて発題する予定だったが、当日は入院のため欠席となり、「十戒に立ち戻ることこそ必要ではないか」とのメッセージを寄せた。

 「天皇の代替わり」をめぐっては、日本カトリック司教協議会をはじめ、日本基督教団などが抗議と要望の意を表す声明を発表しているほか、超教派による有志の集い「『教会と政治』フォーラム」は9月28日、東京・高田馬場のビサイドチャーチ東京で「天皇の生前退位を考える」を主題とする例会を企画している。

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