「えきゅぷろ!」再び 教派を超えてさらに一歩前へ カトリック、ルーテル、日本基督教団、聖公会… 2018年9月11日

 昨年、宗教改革から500年の節目に教派一致(エキュメニズム)への一歩を青年たちで踏み出したいと企画された「えきゅぷろ!(エキュメニカルプロジェクト)」が今年も8月25日、日本基督教団聖ヶ丘教会(東京都渋谷区)で開催された。主催したのはカトリック、日本福音ルーテル教会、日本基督教団、聖公会の青年有志によって構成された実行委員会(カトリック東京教区青少年委員会、日本福音ルーテル市ヶ谷教会、日本基督教団教育委員会後援)。

 今年のテーマは「Faith to Faith」。「さまざまな教派に属し、それぞれの信仰(Faith)に生きるわたしたち。キリスト者として一つになるとは、どういうことなのでしょう? 自らの信仰を見つめ、相手の信仰と正面から向き合う――そんなアツい・エキュい夏を共に過ごしてみませんか!?」との呼びかけに、昨年同様、100人を超える青年が全国各地から集まった。

〝一致とは多くの傷を伴うもの〟
教会分裂の痛みを覚えつつ「合同礼拝」

 各教派から集まった約20人のスタッフは、「セッション班」「礼拝班」「広報班」などに分かれ、それぞれの教派の違いを加味しつつ自身の信仰と向き合えるようなプログラムを用意。今年は北海道や長野など、関東圏外からの参加もあり、また口コミなどで情報を知り1人で初めて参加したという青年も目立った。

 当日は自己紹介を交えたアイスブレイクの後、12のグループに分かれ、聖書にまつわるディベートなどを通し、それぞれの教派や教会の現状、自身の課題などを共有した。合同礼拝の司式者である立山忠浩(日本福音ルーテル教会都南教会牧師)、角田佑一(カトリックイエズス会司祭)、藤井清邦(日本基督教団聖ヶ丘教会牧師)の3氏を迎えての「サイコロトーク」では、「牧師・神父になった理由」「クリスチャンで良かったこと」「自分の弱点」などをテーマに質問。

 浄土宗の家に生まれながら中学2年から牧師になりたかったという藤井氏は、「妹がカトリックの小学校に入学したことを機に転校した。親には『教会には行ってもいいが洗礼だけは受けるな』と言われ、洗礼を受けると『牧師にだけはなるな』と言われてきた」という過去を吐露。しかし、牧師になった後、家族が洗礼を受けたことを紹介し、「神さまが道備えをしてくださった」と語った。

 独自の式文を用いた合同礼拝では、ぶどう酒もパンもない空の聖餐具だけが備えられ、「教会の分裂という歴史の中で、共にパンを割き、一つ杯に与ることができなくなった痛みを持っている。しかし、空のかめを新しいぶどう酒で満たしてくださったキリストは、必ず共に聖餐に与る日を迎えさせてくださると信じて祈りつつ、この礼拝をささげたい」との宣言で始められた。

 「証し」として登壇した日本聖公会の柳沼大輝さん(郡山聖ペテロ聖パウロ教会員)は、キリスト教主義の大学で参加したサークルでの体験を振り返った。当初、自身の教会生活とかけ離れた賛美や祈りのあり方に嫌悪感を抱きつつも、信仰のルーツを「捨てる」ことで打ち解けることができたが、次第に取り繕った信仰にほころびが生じ始め、信頼していたクリスチャンの友人からも「あなたの信仰はどこにあるの?」と問われ傷ついたという。また、「えきゅぷろ!」のミーティングでは、些細な違いで衝突するスタッフにいら立ちを覚えていたが、「それぞれが自分の教派に自信を持っているからこそ生じるものであり、他のメンバーに嫉妬していただけの自分に気づいた。自分の土台は聖公会にあるということを再確認し、そこで育まれた信仰に自信が持てるようになった」「一致とは多くの傷を伴うもの。互いを思う優しさゆえに傷つけてしまうこともあるが、表面的に妥協するのではなく、一つになることはできないという傷に目を向けて共に歩みたい」と告白した。

 合同礼拝は動画サイトのユーチューブ(https://youtu.be/7RHtR2gG5WU)でも視聴できる。

■実行委員会代表の下川正人さん(日本福音ルーテル市ヶ谷教会員)

 日本の青年クリスチャンたちの「一致」に向けた意識が高まってきていることを肌で感じ
ることのできるイベントとなりました。教派の垣根を越えて熱く語り合う参加者を見て、これがこの国のキリスト教の将来を映す鏡であってほしい、と願いました。礼拝でも、まさに「えきゅぷろ!」にふさわしいメッセージが語られ、祈りと歌声を共にし、参加者が同じクリスチャンとしてひとりの神を賛美することができ、恵みにあふれた時間でした。非力な青年たちのために、各教派の先生方が、礼拝の司式・説教やセッションへの登壇等を通じてご協力くださったことも、非常にありがたいことでした。参加者からは「充実した会だった」との声が聞かれ、クリスチャンの一致のための交わりとして、わずかながら貢献できたのではないかと思います。今後も、日本のクリスチャンや社会一般に対して、神さまの愛と平和を証しし続けるイベントを企画していければと思います。

■昨年に続いて参加した中川健人さん(日本キリスト教会柏木教会員)

 昨年は同じ教派ではわたし1人の参加だったため注目を浴びてしまいましたが、今年は前回SNS上で自ら発信した影響からか、同じ教派の青年が参加してくれて心強く感じました。実行委員のノリに圧倒されながらも参加者同士で親睦を深め、牧師先生や神父によるキリスト教との出会いという貴重なお話を聞き、メンバーの願いに想いを寄せる祈祷の時間、各教派の礼拝形式を織り交ぜた合同礼拝……短い時間の中でお互いの信仰や考えを昨年以上に深く掘り下げられた「えきゅぷろ!」ではないかと感じました。今後も「えきゅぷろ!」の存在をより多くの仲間に広め、いつかは主体的に参加することができればと願っています。

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