子どもたちに夢と希望届けたい ワールド・ビジョン プリキュアとコラボ クラウドファンディングに挑戦中 2018年10月21日

 NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(榊原寛理事長)は、フィリピンのサマール地域に体験型の図書室を建設しようと、現在、クラウドファンディング「BOOSTER」で支援を募っている。このプロジェクトは、来年15周年を迎える人気アニメシリーズ「プリキュア」とのコラボ企画。クラウドファンディングへ協力した人には、特典として描き下ろしのプリキュア画像入りグッズが贈られる。10月9日には、「BOOSTER」を共同運営する株式会社「CAMPFIRE」内で共同記者会見が行われた。

アニメ制作会社と海外支援の動きは初
鷲尾P「応援してくれたファンにお返しを」

 会見には、ワールド・ビジョン・ジャパン事務局長の木内(きない)真理子、同親善大使の酒井美紀、東映アニメーション株式会社執行役員で「ふたりはプリキュア」プロデューサーの鷲尾天(わしお・たかし)、株式会社「CAMPFIRE」の家入一真(いえいり・かずま)、「BOOSTER」を共同運営する株式会社パルコ常務執行役の泉水隆(せんすい・たかし)各氏が出席。さらに『ふたりはプリキュア』からキュアブラックとキュアホワイトも登場した。

 家入氏は、「日本を代表する国際NGOやアニメ制作会社、そしてクラウドファンディングというプラットフォームを運営する会社が共に海外を支援するという動きは、業界内を見ても恐らく初めてではないか」と期待を寄せる。今年7月に、全国で商業施設を展開する株式会社パルコが株式会社「CAMPFIRE」と共同運営する形でクラウドファンディング「BOOSTER」に参画。泉水氏は、「わたしたちの本業は、商業施設の運営。しかし、クラウドファンディングを通してさまざまなマーケットにある街や人も、今後は応援していきたい」とあいさつした。

 フィリピンは、順調な経済成長を遂げながらも、貧富の格差が激しい国の一つでもある。今回、支援をするサマール地域は、国内で最も貧しい状況にある。さらに、2013年に大型ハリケーンが同地域を直撃、直近では2017年に台風も上陸している。度重なる台風によって川の氾濫、土砂崩れなどにより、ライフラインすら確保できない状況の中、1万人以上が避難生活を余儀なくされた。

(左から)キュアブラック、泉水氏、酒井氏、木内氏、鷲尾氏、家入氏、キュアホワイト

 今回の支援対象地域、サマール島は、2013年の台風によって壊滅的な被害を受けた地域の一つだった。サマール島の南西部にアニボンゴンという小さな村がある。「この村では、就学適齢期の子どもの約3割が、家の手伝いや極度の貧困などを理由に学校へ行くことができない状況にある」と木内氏は説明する。地域の人々は、「せめて子どもたちが自由に本を読める図書室を作りたい」と活動をしてきたが、度重なる台風によって図書館はおろか地域の復興も途上のままだという。さらに、地域の幼稚園が台風により被災し、図書室用に確保していた用地は、幼稚園生のための場所になってしまった。こうした地域からの声を受けて、今回のプロジェクトは立ち上がった。木内氏はこう話す。

 「フィリピンの子どもたちにも夢や希望をもってもらいたい。夢や希望は子どもたちの『原体験』から来るもの。本を通して、子どもたちに体験をしてほしい。今回の図書室では、『こと体験』をできる場所にしたい。料理や裁縫、実験などを通して体験をすることや、楽器を作って演奏してみたり、身体を動かして、体験できる場所を目指している。自らの体験から、自分だけの夢、希望を抱く機会となればと願っている」

 酒井氏はフィリピンへテレビ番組の取材で訪問。そこで少女との出会いをきっかけに、2005年、ワールド・ビジョンのチャイルドスポンサーに参加している。2017年には親善大使としてサマール地域を訪問。「夢をかなえることが困難な状況にある子どもたちをたくさん見てきた。図書室を作ることができたら、現地の子どもたちはとても喜ぶと思う。わたし自身もとてもうれしく、ワクワクしている」と話した。

 プリキュアが15周年を迎えるにあたり、鷲尾氏は「今まで応援してくれた皆さまに何かお返しがしたいと思っていた。フィリピンから実際、子どもたちが来日し、アニメができる過程を見てもらった。ぜひ、彼らを応援したい。本を通して、彼らに『ワクワク』を与えることができるのなら、何としてでも協力したいと思った。子どもたちが喜ぶことが何より。それが、プリキュアがきっかけで参画してくださる方がいらっしゃるなら、それはとてもうれしいこと」と話した。

 会見後、木内氏は本紙のインタビューに対し、「小さい者にも心を寄せて、心を砕いていただければ。それは、天からのご計画ではないかと感じている」と答えた。詳しくは「BOOSTER」サイト(https://bit.ly/2yhWZ6j)、問い合わせはワールド・ビジョン・ジャパン(Tel 03-5334-5356)まで。(ライター・黒岩さおり)

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