「立教女学院に建学の精神を取り戻す会」が公開質問状 財政難の理由に疑義 2018年10月25日

 立教女学院(若林一美理事長=当時)が財政困難を理由に2018年度以降、短大と付属幼稚園「天使園」の募集停止を決めたことに端を発し、「建学の精神の堅持」と「情報開示」を求める教職員、保護者、卒業生らと理事会との間で火種がくすぶり続け、2018年だけですでに3人目の理事長を迎えるという異例の事態にまで発展している。

 「立教女学院に建学の精神を取り戻す会」(小林豊和会長)は10月19日、「対話による解決はもはや望め」ないとの判断により、同学院理事会宛に公開質問状を提出。保護者、同窓生、旧教職員、聖公会信徒などの関係者にもこの内容を伝えてほしいと呼びかけている。質問の内容は、山中一前理事長による「募集停止」の決議理由について糸魚川順新理事長の考えを問うものや、「短大・天使園募集決議が寄附行為上特別決議の形式をとらなくてもいい」という説明の根拠、「今般の理事長・理事に高額報酬を支払われるなどの理事会決議」との整合性など4項目に上る。

 「立教女学院に建学の精神を取り戻す会」は質問状の中で、これまでの理事会による説明に対し「財政が困難という理由が虚偽だった」のではないか、「億単位の資産を売却するなど、私たちの知らぬ間に『身売り』ともとれる行動がすでに始まっていた」と疑義を申し立てている。

 また、「従来の立教女学院のキリスト教教育の結果、多くの子女が、おかげさまで学力をつけ、志望大学に合格し、社会に貢献する人材となった」ことを評価しつつ、「立教女学院の歴史と伝統を受け継ぎ、建学の精神を堅持し、寄附行為を尊重し、キリスト教教育をさらに推し進めて頂きたい」と要望している。

 以下、公開された質問状(https://st-margaret-kengaku.jimdofree.com/)の冒頭部より。


立教女学院 理事会への公開質問状

立教女学院 理事長ならびに理事のみなさまへ

 日頃より立教女学院のためにご尽力を賜りまして感謝申し上げます。

 さて、「立教女学院に建学の精神を取り戻す会」の総意として、対話の場を9月末日までに開催することを求めて9月5日付けで書簡をお送り致しましたが、本日まで、何ら返答がありません。

 皆様には教職員、在校生、保護者、関係団体、地域社会などに対する「透明性の確保」「情報開示」などをその旨とする、「忠実義務」を果たす意思がないと、残念ながら受けとめざるを得ません。

 私たちは、いままで「内なる解決」を目指して活動を続けて参りました。しかし、皆様にはその意思がなく、立教女学院の未来を取り戻すためにも、書状にも明記していた通り同封の公開質問状をお送りします。

 質問およびご回答を2018年10月24日をもって公開いたします。 

 理事長ならびに理事の皆様に於かれましては、真摯な、誠意のある回答を、何卒お願い申し上げます。

 2018年10月19日

立教女学院に建学の精神を取り戻す会

会長:小林豊和(前藤の会 会長)
副会長:長谷川英樹(元藤の会 会長)
副会長:山岸真太郎(元藤の会 会長)
聖公会世話人:中村邦介(元女学院院長・東京教区司祭)
聖公会世話人:佐久間達也(元女学院事務局長)
聖公会世話人:堀内 昭(元女学院理事)

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