柴山文科相「教育勅語」発言 宗教者が撤回求め共同声明 2018年11月1日

 柴山昌彦氏が10月2日の文部科学大臣就任の記者会見で「『教育勅語』は現代的にアレンジした形で今の道徳に使える」と発言したことを受け、宗教者共同声明発表集会が18日、議員会館(東京都千代田区)で開催された。平和をつくり出す宗教者ネット(日本山妙法寺内事務局、東京都渋谷区)が主催し、宗教者ら約40人が参加。プロテスタント、カトリック、仏教、神道など宗教を超え53人(18日時点)が呼びかけ人として名を連ねた。24日の臨時国会前に声明発表と集会を開くため、急きょこの日に開催が決まったという。

 呼びかけ人の一人、金性済(ルビ:キムソンジュ)氏(日本キリスト教協議会=NCC=総幹事)は「柴山氏は教育勅語が国際協調にも有用と発言したが、そのようなことは書かれていない。大臣が本当に教育勅語を読んだのか疑問。2006年に教育基本法に愛国の概念が導入され、このたび道徳が教科とされ成績がつけられること、その枠組みの中で今回の発言があったと認識しなくてはならない。教育勅語で着目すべきは『一旦緩急アレバ、義勇公二奉ジ……』の一節で、事が起これば国民が一丸となって武力に傾くことを掲げており、命を脅かす。宗教者は命の深い部分を大切にする義務をもつので、抗議の声を上げなくてはならない」と訴えた。

 キリスト教界からは他に、鈴木伶子(元NCC議長)、比企敦子(NCC教育部総主事)、大倉一美(カトリック東京教区司祭)の各氏らが発言。吉良よし子氏(日本共産党)、福島瑞穂氏(社会民主党)、服部良一氏(元衆議院議員)ら国会議員も応援に駆け付けた。

 平和をつくり出す宗教者ネットでは現在、共同声明への賛同を呼びかけている。声明の主旨は以下の通り。

 1948年の衆参両議院で「教育勅語」の排除および失効確認が決議されている。さらに、「教育勅語」のどの部分が今も使えるか問われた際に大臣が、「同胞を大切にする」「国際的な協調を重んじる」部分だと返答したが、「同胞を大切にする」という理念を「非人道的な『教育勅語』の文脈」から引き出す必要はない。また、「国際協調」が語られている部分はない。その上で、柴山大臣の「教育勅語」発言は「戦争国家への道」を開いて、子どもたちの「いのち」を「国家のために投げ出すことを強要しようとするもの」であり、発言の撤回と大臣の辞任を求める。

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