教皇フランシスコ批判 香港の陳枢機卿が米紙上で展開 2018年11月11日

 「正統」なのか「保守」というかは別として率直な物言いで知られた香港のジョセフ・陳日君(ゼン・ゼキウン)枢機卿が10月25日、教皇フランシスコが中国政府と「歴史的合意」に達したことについて、教皇は中国の体制を理解していない、と米有力紙上で批判し、この合意は中国における「真の教会の消滅」につながる恐れがあると予測した。

 中国国内のカトリック教徒は、推定1200万人と推定されるが、バチカン(ローマ教皇庁)に忠誠を誓う信者は、政府非公認の「家庭教会」と呼ばれる地下教会に通う人と、共産党が司教、司祭など聖職者を選任する政府公認の教会を訪れる信者とに分かれている。

 バチカンと中国は1951年以来、外交関係を維持していないが、中国国内での司教任命をめぐる合意により、関係回復への道が開かれた。また教皇は合意の一環として、中国政府によって任命された司教7人を承認した。

 この歴史的合意について陳枢機卿が、米紙『ニューヨーク・タイムズ』10月24日付けの「OP-ED」(論説対抗)面への寄稿で、教皇は中国に対して譲歩し過ぎてしまい、合意の結果、中国政府によってカトリック教徒が迫害される下地がつくられたと改めて批判した。「合意は実のところ、中国における真の教会の消滅に向けた大きなステップだ」という陳枢機卿の主張が、米注目メディアに登場したことは、カトリック教会内部の対立を外部にさらけ出した格好。

 さらに「わたしが風刺漫画家なら、教皇がひざまずき、中国の習近平国家主席に天国の鍵を差し出して、『どうか私を教皇として認めてください』と言っている絵を描くだろう」との見解も披露した。(CJC)

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