矯風会が「ポルノ被害」考える集会 性暴力被害の低年齢化を懸念 2018年11月21日

 日本キリスト教婦人矯風会(飯田瑞穂理事長)は11月3日、「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS)理事長の田口道子氏=写真=を招いて、ポルノ被害と性暴力・性搾取を考える集会を矯風会館(東京都新宿区)で開催した。女性保護施設関係者など33人が参加した。

 2008年、極めて暴力的なアダルトビデオを制作することで有名な人物が、青少年向けに性を語るとした本の出版をめぐり、婦人保護施設の現場から猛烈な反発が起きた。このことがきっかけで、「単に一出版社の無思慮な行為の問題ではなく、女性や子どもへの性暴力を容認・軽視している社会のあり方の問題」だと認識し、09年に同会が発足。13年には相談事業を開始し、現在までに約530件の相談が寄せられている。

 「ポルノは楽しむものだから、被害者はいない」という世間の風潮がある一方で、女性の尊厳や人生を軽々と踏みにじり、「同意のもと」という大義名分を前に、好き勝手な条件を突きつけ、どこにも相談できずさまよう女性、中には少数だが男性もいる。そうした可視化されていなかった問題に対し、電話、メール、LINEを使って積極的に相談事業を展開してきたPAPS。

 「こんなことで相談していいの?」「契約と違うことをさせられたが、最初に同意したのはわたしだから」と自責の念にかられつつも、相談に訪れる人々が後を絶たない。「撮影の条件として、『顔出しはしない』『拡散はしない』などと言われるが、たいていの場合そうした約束が守られることはない」と田口氏。

 自発的に現場に行くにしろ、騙されて出演することになった場合にせよ、その根底にあるのは、構造的な「性の搾取」だという。性を売り物にして儲ける人々がいるという社会構造。出演した女性(あるいは男性)は出演したことで、その苦しみは延々と続く。しかしそれを解決する法律はない。

 田口氏は本紙の取材に対し、「SNSなどの交流手段が発達した現代では、被害者は低年齢化している。社会経験が未熟な若い女性を取り締まるのではなく、性を売り物にしている人々、女性を『モノ』として扱い、楽しむという日本社会こそおかしいのだということに気付くべき。そして、気付いた女性が行動を起こすことが社会を変えることにつながると思う」と話した。

 矯風会では12月6日、午後1時からの記念礼拝に続き、創立132周年を記念する作家・北原みのりさんと柚木麻子さんのトークセッション「女たちは何をめざしてきたか『日本のフェミニズム――性の戦い編』を中心に」を開催する。詳しくは同会サイト(http://kyofukai.jp/)まで。

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