『離婚から立ち直る』著者来日 「傷ついた人々に寄り添う熱意を」 2018年12月11日

 『離婚から立ち直る――心の傷と痛みからの解放』(いのちのことば社)の著者、エリック・カステンスキールド氏=写真下=がイギリスから来日したのに合わせ、神戸、名古屋、東京で「離婚者への牧会」と題するセミナーが開催された。お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で11月14日に行われたセミナーには、教職者、神学生ら約70人が参加した。

 カステンスキールド氏は、教会で出会ったクリスチャンの女性と5年間の交際を経て結婚。その後も教会の奉仕、イベントには夫婦で積極的に参加し、2人でスポーツを共に楽しむなど活動的だった。しかし、結婚して約5年後のある日、彼女が突然「浮気をしている」と告白。

 「その言葉を聞いた瞬間、わたしの人生が壊れていくのを感じた。その時の光景、匂いに至るまで、今でもはっきりと覚えている。この数年間、いったい何が間違っていたのか。何が起きたのか、また何がこれから起こるのかまったく分からない暗闇の中にいた」と同氏。

 その後、2人は離婚。それまで居心地が良いと感じていた教会ももはや異次元の世界で、最も居心地の悪い場所の一つにさえなっていたという。鬱状態に陥り、お酒も浴びるように飲んだ。回復への道のりには、共にいてくれた友人、いつも話を聞いてくれる周囲の人々がいた。夫としての自分を振り返り、「こうすべきではなかった」と思うことも少なくなかった。彼女を許せない心が、かえって自分自身を苦しめていることも分かった。それに気づいたことが、人生の回復への第一歩につながった。

 「離婚者への支援をすることは、離婚を助長し、教会を混乱させるのでは」という意見については、「そのまったく逆。教会はいわば戦場の中にある『野戦病院』のようなもの。世の戦いの中で傷ついた魂、危機にある魂に癒しを与え、最善の選択ができるように強めていく働きがある。離婚から立ち直るための支援は重要。わたしたちは専門家である必要はない。どんな闇の中でも光を見出すことができる。傷ついた人々に寄り添うという熱意が大切」と講演を結んだ。

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