安倍首相の伊勢神宮参拝 日基教団北海教区が抗議 2019年1月8日

 1月4日に安倍晋三首相が伊勢神宮を参拝したことを受けて、日本基督教団北海教区の宣教部平和部門委員会(佐藤幹雄委員長)は同日、抗議声明を首相官邸に送付。歴代首相の行動を踏襲して現役閣僚を率いた参拝を行ったこと、参拝後に同神宮内の施設で「政見に関する記者会見」を開いたことなどから、一連の行動は政教分離原則に反すると指摘。「政教分離原則に反する行為を行わないこと」を要請した。全文は以下の通り。


安倍首相の伊勢神宮への参拝に抗議します

 内閣総理大臣 安倍 普三 殿

 本日、安倍首相が伊勢神宮に参拝したことが報じられました。これは、憲法20条にうたわれている政教分離原則に違反する行為です。安倍首相に限らず、それ以前から、歴代首相が新年の伊勢神宮参拝を当然のことのように繰り返しており、それに対して、わたし達は、さまざまな形で抗議してきました。安倍首相は、そのような抗議の声があがるたびに、個人としての信教の自由を主張してきましたが、そもそも「恒例行事化」された歴代首相の行動を踏襲し、現職閣僚を率いての参拝であったことを見ても、首相としての行動であったことは明白です。さらに、伊勢神宮参拝後に、宗教法人伊勢神宮の施設である神宮司庁において年頭の政見に関する記者会見を開いています。伊勢神宮参拝を含む一連の行動が首相としての行動であることを如実に示しています。とくに憲法改正の推進を強調しました。戦前の国家神道の大宗とされた伊勢神宮でこれを強調されたことは、この改憲の行く先が、大日本帝国憲法の復活を彷彿させるものであってとうてい座視できません。

 政教分離原則は、かつて国家神道を打ち立て、思想・信教の自由を実質的に奪いつつ、国民を動員して東アジアを武力侵略したことに対する痛切な反省の上に立って、憲法に盛り込まれた原則です。それ故、その歴史を踏まえるなら、憲法の政教分離原則をゆるく解釈することには極めて慎重でなければなりませんし、伊勢神宮を利用して首相の見解を披瀝することは許されることではありません。

 わたし達は、首相の伊勢神宮参拝に抗議すると共に、二度と、政教分離原則に反する行為を行わないことを強く要請するものです。

 2019年1月4日
日本基督教団北海教区宣教部平和部門委員長 佐藤幹雄

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