【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 あの時マルタはどうすべきだったか キョウカイイエロー 2019年1月11日

 今、一つの時代が終わろうとしている。元号のことではない。ジャニーズ事務所のことだ。2018年は東のアイドルTと西のアイドルSが表舞台から去った衝撃的な年であった。私は母からアイドルの英才教育を受けて育ったのだが、私にとって「ゲートウェイ」となったアイドルこそTであった。まだCDデビューしていないアイドル( Jr.=ジュニア)なのに圧倒的な存在感と人気のあったT。現在、Jr.の名前を挙げられるのは一部のジャニヲタ(ヲタク)だけだろうが、当時Jr.でありながらTVドラマで何本も主演を張っていたTは広く認知されていた。

 母教会では元旦礼拝がないことをいいことに、大晦日は東京ドームで行われる「カウントダウンコンサート」という名の「メガチャーチ級のワーシップ」へ出かけていたのだが、そこで生のTとSを見た時の感動は他の何にもたとえ難いものがあった。私の席からは豆粒ほど小さいのに、2人から発揮されていた存在感と輝きが今でも鮮やかに思い出される。

 Jr.の人気を牽引していた二大巨頭が同じ年に表舞台から姿を消すなんて、誰が想像できただろうか。私はアイドルJのファンになってから、TやSへの想いは薄れたが、いつかTの舞台に足を運ぼうと思い続けていた。私のパートナーがSの所属グループを好きなこともあって、いつか2人でこのコンサートへ行き、Sの歌声を聴こうねと話していた。いつか、いつか、いつか……。そのいつかは二度と叶わなくなってしまった。物事には「その時」がある。先延ばししては一生つかめないこともあるのだ。

 聖書のマルタとマリアの物語を読む時、いつも私はマルタに物申したくなる。マルタ、あなたの大好きなイエス様はいつでも会えるわけじゃないんだよ。もてなしも大事だけど、今はそこに時間を割くべきではないんじゃない? あなたもマリアのようにイエス様のそばにいたいんでしょ? 今この時、あなたが選ぶべきことはそれなんだよ!!!!

 マルタの主はありがたいことにそのことをちゃんとマルタに伝えてくれた。時を見極めて本当に大切なことを選び取ることの重要さに気づかせてくれた。でも、ヲタクにとっての「神」であるアイドルは違う。去り際を伝えないどころか事後報告で事務所を辞め、その最後の姿さえ拝めなくなる場合もあるのだ。それを思えば、イエス様が弟子たちにご自身が十字架につけられて、この世から去ることを何度も何度も話してくれていたことは神がかって親切に思えて仕方がない。マルタとマリアの話にはその後が書かれていないが、私はマルタがもてなしを放って、マリアの横で全身全霊で目の前のイエス様の話に耳を傾けたと信じている……というか信じたい。

 これは聖書の中の話、アイドルに限った話ではない。この世のものにはすべて限りがある。だから、いつかいつかと先延ばしにしていたら悔やむことは出てくるのだ。きっとそれは誰しも経験がある。しかし、私たちはそのことを忘れてしまいがちなのだ。

 時をしっかり見極めよう。今、何をすべきなのか、今、私には何が求められているのか、忘れないで過ごしていこう。2019年の私のモットーは「あの時マルタはどうすべきだったか(What Should Martha Has Done?)」としてWWJD のように胸に刻んでいきたいと思う。キョウカイイエロー、この新しい年も忙しさに心を奪われることなく、その時その時を見極めていきたいと思います。

キョウカイイエロー
 
黄野美晴(きの・みはる) ノリがよく、歌やダンスが大好きなジャニヲタ系ミーハー牧師。実は男性アイドル好き の腐女子。聖書科教師も兼任。泣き虫 で浪費家。武器:ソーテール・シール ド(ウチワ型の盾)/必殺技:キュリ オス・ロゴス・フォース(ペンライト から光を発する)/弱点:イケメン。 熱しやすく冷めやすい。

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