賀川豊彦生誕130周年で香山リカ氏 「中間共同体」としての役割を強調 2019年1月21日

 賀川豊彦の生誕130周年を記念する講演会「助けあえない時代の若者たち――『平和と共生』を受け継ぐために」が12月15日、早稲田大学早稲田キャンパス(東京都新宿区)で開催され、学生や関係団体職員ら約200人が参加した。全国の賀川豊彦記念館をはじめ、共栄火災、生活協同組合、世界連邦、農協、ろうきん、全労済、連合、日本基督教団松沢教会など賀川とゆかりのある関係団体が実行委員会(伊藤治郎委員長)をつくり主催、同大学先端社会科学研究所が共催した。

 杉浦秀典氏(賀川豊彦記念松沢資料館副館長)が司会を務め、冒頭には賀川の半生を描いた映画「死線を越えて」のダイジェスト版を上映。続いて精神科医の香山リカ氏(立教大学教授)=写真=が講演した。

 産業医として労働者のメンタルケアや企業の相談にも携わってきた香山氏は、社会が成果主義を採り入れ始めた以降の変化を振り返り、同僚を出し抜こうとして殺伐とする職場の実態を紹介。「地縁、血縁、社縁が薄れ、中間的な共同体が崩壊しつつある中で、揺るがない国家と自己を直結させ、その正しさや強さを誇ることでアイデンティティを保とうとする傾向がある」と指摘。賀川の実践に学び、平和と共生に資する協同組合や宗教団体などに期待される役割の大きさを強調した。

 講演後には、協同組合の若手職員、大学院生、大学1年生を交えたトークセッションも行われ、それぞれの場で、「助けあえる」環境をどう構築できるかについて意見を交換した。

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