【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 「伝道集会」をぶった切る キョウカイブラック 2019年1月21日

 けっ! この新聞、相変わらずくだらねえ記事の連発だ。世の中の争いや問題に対し、後出しジャンケンの如く、偽善者たちが偉そうに綺麗ごとばかり言ってやがる。どうでもいいから帰って家の皿洗いでもしやがれ。

 今日はこの星の教会が行っている「伝道集会」とやらを俺がぶった切ってやる。まず「伝道」という言葉のセンスのなさ、B級Jポップ以下だぜ。お前らが道を伝えるだと? そんな上から目線の集会に誰が行くっていうんだい? 冷静に実情を見てみろ。伝道集会なんぞ、ちょっと有名な牧師を呼んでその教会の信者が集まり、そして近隣の教会からその講師のファンが集まってくる究極の内輪的自己満足大会だ。

 2時間の崇高な話を聴いて「本当に満たされました!」「感動しました!」「祝されました!」というようなありきたりな感想のオンパレード。挙げ句「うちの牧師は全然ダメで……先生のようなメッセージが聴けたらどれだけ幸いでしょう!」だなんて吐き気のするような不満さえ飛び出す。そして一度きりの小難しい話を聴いてありがたがるも、そんなことも数時間後にはすぐに忘れ、いつもの自分たちにあっという間に戻ってしまう。

 ただ、この星の教会もそういう現実と限界にやっと気づき始めているようで、年配の大御所ではなく、次世代に受けそうな講師を呼ぶのがちょっとした流行りだ。最近じゃ、この新聞を発行してる会社の社長なんぞが「SNS活用術」や「サブカルから見るキリスト教」を伝えている。そして、この奇異な切り口に「保守派」がイチャモンをつけ、twitterがプチ炎上。内輪盛り上がりの伝道集会が、内輪もめの伝道集会になる始末。

 これからの伝道集会のあり方、それはズバリ教会の外に出て行き、教会の外でいわゆる一般の人々と魂を共鳴させることだ。「どなたでもご参加ください」「入場無料(席上献金あり)」など、謎のキャッチコピーは何かに配慮しているようで、怪しく意味不明な壁を造り上げているに過ぎない。今すぐ、すべての壁をぶっ壊して外に出かけて行くんだ。

 じゃあ最後に、俺が体験した「出かける伝道集会」の証をさせてくれ。言っておくが自己満、自慢、欺瞞だ。ある時俺は、「介護カフェ」と冠する集会に呼ばれて出かけて行った。病院のロビーで介護をしている人々、されている人々が集まっていた。漂う悲壮感。宗教的な「皆、それぞれの人生に意味がある」などという言葉が救いにならないことだけはすぐに分かった。だから俺は、ギター片手に叫んだ。「お前ら、みんな苦しんでいる! 俺も今日ここに来て苦しくなった。今から俺がギターをかき鳴らすから踊ろうぜ!」と。すると車いすの1人の男性が見事なタップダンスで踊り出した。ダンサーだった彼、病の中にあってもそのリズムとビートは魂に刻まれていたのだ。彼は軽快なリズムで踊り、最後には俺に抱きついてきた。その瞬間、そこに集っていた者、全員の魂が震えた。そして一番震えたのは俺の魂だった。

 伝道? 道は教えるもんじゃなくて進むものだろう。ましてやそれが救いへ至る道、解放への道であれば、時に勇気を出して道なき道を行くべきだろう。そして、そこで共に魂を震わせることこそ伝道だろう!

キョウカイブラック
 黒田ジョスィ(くろだ・じょすぃ) ロックバンド、カフェなどで教会の常識と敷居を打ち破り、福音を世界に響かせるはみ出し系ロッカー牧師。 キリストこそROCKだと信じてやまない、熱い魂(ハート)の持ち主。教会での働きは意外にも真面目!? 武器:罪人重低音ベース/必殺技:ジーザス・クライスト・ロッケンビーム/弱点:理屈

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