大杉漣さん急逝から1年 映画『教誨師』各地で上映続く 2019年3月1日

 佐向大監督の映画『教誨師』で主人公の牧師役を演じた俳優の大杉漣さんが亡くなって1年となる2月21日、東京・吉祥寺のココマルシアターで、同作の上映会とトークイベントが催された。佐向監督=写真中央=のほか、死刑囚の一人・高宮真司を演じた玉置玲央さん=写真右、大杉さんとバンド活動を共にしたギタリストの堀尾和孝さんも登壇した=写真左。

 映画は教誨師を務める佐伯保が年齢、境遇、性格の異なる6人の死刑囚と対峙し、狭い空間の中で繰り広げる対話によってのみ進行。受刑者と向き合い、「心の救済」のために奮闘する牧師の葛藤と成長を描く。昨年10月6日に公開され、当初の想定を超え全国82スクリーンで上映。興行収入はこれまでに6,000万円を超えた。

 同作が映画初出演となった玉置さんは、一貫して牧師に挑戦的な態度をとる高宮役で第73回毎日映画コンクールのスポニチグランプリ新人賞を受賞。「見るたびに撮影中の出来事を思い出す」と回顧した。佐向監督は、「大杉さんの主演作としては最後の作品であり、玉置さんにとっては初めての映画で、バトンが渡された現場に居合わせただけでも、本当に幸せ」と語った。

 当日、会場に足を運んだ日本基督教団東美教会牧師の陣内大蔵さんは、「主人公が徒労するくだりでは、おそらく牧師にしか分からない切なさにグッと来ました。古い型のヒムプレイヤーや聖書、賛美歌など、リアルな小物にも注目しながらどっぷりはまりました。『牧師業』に携わる方々はみんな見た方がいい作品です」と感想を語った。

 同作は特典映像を加えたDVDも4月2日に発売される(通常版4,212円、特別版6,264円)。現役教誨師である川上直哉牧師と佐向監督の対談は本紙2018年11月1日付で掲載。

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