仏枢機卿、性的虐待の隠蔽で有罪判決 2019年3月15日

 フランス南部リヨンの裁判所は3月7日、聖職者による性的虐待を隠蔽したとして、カトリック教会の同市大司教フィリップ・バルバラン枢機卿(68)に執行猶予付き禁錮6月の有罪判決を言い渡した。

 バルバラン被告は判決の数時間後、辞職を表明した。裁判は仏カトリック教会に衝撃を与え、世界各国での虐待問題で苦境に立つバチカン(ローマ教皇庁)にとってはさらなる悩みの種となっていた。

 2003年から枢機卿を務めるバルバラン被告は、各国で勃発している小児愛スキャンダルの影響を受けたフランスの聖職者としては最高位の人物。教皇フランシスコは、このスキャンダルに対し「総力戦」で取り組むと宣言していた。

 裁判所はバルバラン被告に対し、1980~90年代にベルナルド・プレナ司祭がボーイスカウトの少年らに対し虐待を繰り返していたとの疑惑についての通報を怠ったとして、有罪判決を言い渡した。

 判決の言い渡しを欠席した同被告は「裁判所の判断をしかるべく認知する」と述べたが、弁護士は上訴する意向を示したという。(CJC)

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