自伝『ふたりの異邦人』出版記念 久米小百合さん「今でも気分は異邦人」 2019年4月1日

 1979年、三洋電機の大型テレビCMタイアップ曲「異邦人」でデビューし、引退後はキリスト教の伝道者として活動してきた久米小百合さん。今年上梓した自伝『ふたりの異邦人』(いのちのことば社)の出版を記念するトークイベントが3月15日、東京・銀座の教文館で行われ、音楽ライターの長井英治さんと共に書籍に収められた写真を見ながら半生を振り返った。

 幼いころからピアノを習っていた久米さんだが、吉田拓郎や赤い鳥、泉谷しげるの歌にひかれ、友人とフォークグループ・ガロのコピーバンドで歌い始めた。初めて作った曲「異邦人」がCMで採用され、140万枚のヒットを記録してから40年。当時はまだ洗礼を受ける前だったが、「異邦人」という曲名から、よくクリスチャンだと勘違いされていたという。

 書名に込めた意図については、「自分はもしかしたら今でも『異邦人』なのかもしれない。キリスト教の世界にどっぷり染まってしまうよりは、どこかにたどり着くまで、いつまでも旅人なのかなと。むしろ伝道する立場としては、必要な感覚かもしれません」と言及。それは芸能界の中にいながら感じていた居心地の悪さとも通じる。

 引退後、教会で招かれ聖歌や賛美歌を歌っているうちに、歌うことで教会の役に立てると考え神学校に通い始めた久米さん。日本初のゴスペルレコード会社「ミクタムレコード」を設立した小坂忠さんとクリスチャンの音楽を作ろうと誘われ、本格的にシンガーソングライターとしての活動を再開する。結婚した音楽プロデューサーの久米大作さんとは「同志」のような間柄。39歳で体験した出産と子育てについては、「子どもを育てるというよりは、子どもに育てられ、親にしてもらってきたという感覚」と振り返った。

 イベントの最後には、自らが発起人となり音楽やアートを通して東日本大震災の復興支援に取り組む「東北応援団 LOVE EAST」の活動を紹介。今も仮設住宅に住みながら復興住宅に移れないでいる被災者の現状に思いを寄せ、被災地で披露してきた「主我を愛す」など数曲を披露した。

写真提供:クリスチャン新聞

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