【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 墓は入る場所じゃねえ! キョウカイブラック 2019年4月21日

 さあ、今日はイースターライブの日だ。今回もステージで罪人たちに救いのパッションをぶち込みにいくぜ! そんな時、またしても総督から指令が届いた。「ブラック、教会の人たちがイースター宣教に行きづまっている。出動せよ!」と。本当に勘弁してほしいぜ。相変わらずこの星のクリスチャンたちは世間の奴らに大きく取り残されちまっている。お前らがその意味を人々に伝えられないから、クリスマス、バレンタインだけでなくイースターまで遊園地やデザート屋にすべて奪われちまっている。

 世間の奴らにイースターの意味を聞いてみたら、みんな笑顔でこう言う。「春のお祭りです!」「エッグハントやる日です!」――そして教会は世間に迎合するかのように教会でゆで卵を作り、エッグハントを行うが、しかしやり方がダサいから誰も来やしない。イースターって何の日だったか覚えていないのか? キリストが復活した日? それしか答えられないからダメなんだよ。

 一つ話してやろう。亡くなったある信者の納骨での出来事だ。その信者の墓にはすでに義理の母親と旦那の骨壺が埋葬されていた。俺はその骨壺を旦那の骨壺の横に安置した。すると娘たちが「牧師さん、母と父の骨壺を離してください!」と。「夫婦だから仲良く隣同士の方が……」と言うと「いえいえ牧師さん、申し訳ないです。少し距離を開けてください。夫婦仲最悪だったんです」と。なるほど、そのような家庭の事情もあろうと、俺はその骨壺を旦那の骨壺から少し義理の母の方に寄せた。すると今度はもう一人の娘が俺に叫んだ。「あ~、牧師さんダメダメ! 嫁姑問題がうちは凄かったんです。墓の中までそれは持っていきたくないんです」と。

 俺はキレた。「おいおい! お前ら何年クリスチャンやってんだ! 復活の命を信じるのがクリスチャンだろうよ! なのに、なんだってんだ。その奇跡を思い起こすべきこの場所でお骨信仰になっちまうのか? 墓はな、入る場所じゃねえんだよ! 墓は出る場所、永遠の命に向かって出発する場所なんだよ!」と。すると「ああ、そうだった!」と娘たち。さらに俺は付け加えた。「キリストは墓の岩を脇に転がして復活した。つまり、イースターはロックンロールな日なんだ!」と。

 すると「なるほど。やっとキリスト教とイースターの意味が分かりました!」と娘たち。分かっただろ。イースターエッグじゃ、イースターなんて伝わんねえんだよ。卵探しに牧師の小難しい説教なんて、さらに最悪のパターンだ。どうせ永遠の命に生かされ云々と長々垂れ流し、喜びの日なのに礼拝堂は相変わらずお葬式のような暗い雰囲気になるんだろう。締め切った墓場のような場所に人なんて来るわけないだろう。

 そんな墓場のような教会たちに言うぜ。「いつまで墓に入ってんだよ? 墓は出ていく場所だろう! その墓場の石を横に転がし、教会の扉をぶち破れ! 外に出て、今日もてめえらの生きざまを奏でろよ。そして、教会の外の魂と共鳴してこいよ。それが永遠の命に生きるってことなんじゃねぇのか?」

 ちっ、教会を出るのが遅くなっちまったじゃねえか。俺はそろそろイースターライブに出かけるぜ!

キョウカイブラック
 黒田ジョスィ(くろだ・じょすぃ) ロックバンド、カフェなどで教会の常識と敷居を打ち破り、福音を世界に響かせるはみ出し系ロッカー牧師。 キリストこそROCKだと信じてやまない、熱い魂(ハート)の持ち主。教会での働きは意外にも真面目!? 武器:罪人重低音ベース/必殺技:ジーザス・クライスト・ロッケンビーム/弱点:理屈

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