宗教団体の社会貢献活動 認知度や評価は8年で上昇 2019年5月1日

 「日本宗教の現状と課題――宗教団体の社会貢献活動調査から見えてくるもの」と題する公開シンポジウム(庭野平和財団主催)が3月28日、弘済会館(東京都千代田区)で開催され、約50人が参加した。同財団が2008年から4年ごとに実施してきた「宗教団体の社会貢献活動に関する世論調査」の結果と、戦後日本の宗教団体の現状を振り返る研究会での議論を踏まえて催されたもの。

 まずは調査に協力した石井研士氏(國學院大学教授)が過去3回の調査結果から、宗教団体の社会貢献活動を「たいへん立派」「もっと活発に行ってほしい」と評価する回答が19.1%から23.9%に、「世界平和への貢献」を評価する回答も34.4%から41.6%に上昇したことから、社会貢献活動の認知度や評価は上がっていると分析。一方で、東日本大震災での宗教団体による支援活動の印象が薄れている点や、最も望ましいとされた支援活動が、直接宗教活動とは関係のない「避難場所や支援物資の集積所となる」「災害時の支援物資を保管し提供する」との回答だったことを紹介し、活動を周知するために克服すべき課題について指摘した。

 続いて「現場からの報告」として、都内の宗教施設における「平常時・災害時の受入体制調査」を行った稲場圭信氏(大阪大学大学院教授)、「女性の家HELP」元ディレクターの上田博子氏(日本基督教団牧師)、シャンティ国際ボランティア会(SVA)理事の茅野俊幸氏(瑞松寺住職)、早稲田奉仕園活動事業部マネージャーの片岡平和氏(日本基督教団早稲田教会員)が登壇し、それぞれの立場から社会貢献活動の実践について報告した。

 報告に対してコメントした山中弘氏(筑波大学教授)を交え、宗教団体による社会貢献活動に共通の課題として、活動を継続・維持するための財政のあり方や、行政との協力関係をどう構築するかについて議論を深めた。

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