不就学児童調査からの外国人排除 30団体が教派超え抗議と要請 2019年5月11日

 文部科学省が「不就学学齢児童生徒調査」から外国人を排除しようとしていることに対して、マイノリティ宣教センターや日本キリスト教協議会(NCC)など、教派や宗教を超えた30の団体が連名で4月18日、安倍晋三首相および柴山昌彦文科相宛に要請文を送付した。

 要請文では、2018年の文部科学省の同調査において、1年以上所在の分からない児童生徒が63人とされている一方、NHKの調査によると、日本に住む外国人児童生徒約12万人のうち日本の学校にも外国人学校にも在籍していない子どもの数が8,400人とされることを指摘。文部科学省が憲法26条を根拠として、義務教育の対象は「国民」であるとの見解のもと、同調査の調査票に「外国人は、対象から除外する」という但し書きをそえ、これまでと同様に今年の調査でも調査対象から外国人を排除しようとしていると訴えた。

 その上で、「人権教育・啓発に関する基本計画」、教育機会確保法、「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」などに照らし、「同じ地域社会に住み学習権を有する存在として外国人児童生徒を位置づけることなく調査対象から排除するということは、明らかにそれら国際条約の精神に背反する行政と言えます」と主張。「それは、外国人児童生徒の人権としての学習権を疎外することにつながるばかりでなく、共に学ぶ『日本人』児童生徒が他者と出会う豊かな経験を排除することにもつながる」として、「もはや『国民』だけで成り立たない社会の現状を抱えている今日、わたしたちは、住民として地域に住まう人間の『人権』を擁護し、共に生きる社会を具体的につくりだしていかなければなりません」と強調した。

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