殺傷事件受けカリタス学園がメッセージ「すべての子ども達に気持ちの安定と満面の笑顔が戻るよう」 2019年6月15日

 5月28日早朝、川崎市多摩区の路上で刃物を持った男に襲われ、カリタス小学校(内藤貞子校長)の児童、保護者ら20人が死傷した事件で、カリタス学園(齋藤哲郎理事長)は6月4日、「皆様へ ――今回の事件をうけて」と題するメッセージを齋藤理事長と内藤校長との連名で発表した。

 同文は「全国からたくさんの慰めや励ましのお言葉を賜り、数えきれぬほどのお祈り」をもらったことへの謝意を述べた上で、「すべての子ども達に気持ちの安定と満面の笑顔が戻るよう、共にお祈りいただけましたら大変ありがたく存じます」「直接被害に遭われた方々やそのご家族、また身体的に傷を受けていなくても心に深い傷を負った子ども達、保護者の方々、教職員等の心情をぜひともお察しいただき、引き続き直接の取材や撮影をご遠慮ください」と改めて呼び掛けた。

 死亡したのは保護者で外務省職員の小山智史さん(39)、同小6年の栗林華子さん(11)。襲撃後、岩崎隆一容疑者(51)は現場で自殺を図り、死亡した。休校していたカリタス小学校は翌5日から再開した。全文は以下の通り。


 あの痛ましい事件が起きてから一週間余りが経ちました。突然の凶行によって罪のない多くの子ども達と保護者の方々が被害に遭われた今回の出来事はあまりにも辛く、思い返すたびに涙が溢れます。何よりもまず、犠牲になられたお二人の方が安らかに憩われ、遺族の皆様のお気持ちが少しでも癒やされますように、改めてお祈り申し上げます。また、負傷し今も治療を受けている方々が一日も早く回復され、心に深い傷を負った多くの方々、特に児童・保護者の皆様が少しずつでも元気になってくださることを、心より願っております。

 一方、今回の出来事では、当初の救護活動をはじめ様々な面で近隣の皆様に助けていただき、ご迷惑もおかけしています。また、全国からたくさんの慰めや励ましのお言葉を賜り、数えきれぬほどのお祈りもいただいてきました。県や市をはじめとする公的機関のご支援も頂戴しています。こうした皆様のご厚情に直接お礼を申し上げることはなかなか叶いませんが、この場をお借りして、私たちが皆様の温かいお気持ちにどれほど支えられているかをお伝えさせていただければ幸いです。そして、このような形でしか感謝を申し上げることのできない非礼をどうぞお許しください。

 まもなく、中学高等学校・幼稚園に続いて、小学校でも登校が再開されます。学園といたしましては、これからも多方面のご協力を仰ぎながら、登下校時の安全に一層配慮し、学園関係者、特に子ども達の心のケアを第一に考えて、最大限の努力を続けていく所存です。長い道のりとなるかもしれませんが、一日でも早く日常の学校生活が取り戻せるよう教職員一同力を合わせて進んでまいりますので、ご理解とご支援を賜れれば幸いです。そして、すべての子ども達に気持ちの安定と満面の笑顔が戻るよう、共にお祈りいただけましたら大変ありがたく存じます。

 最後になりますが、報道各社におかれましては、直接被害に遭われた方々やそのご家族、また身体的に傷を受けていなくても心に深い傷を負った子ども達、保護者の方々、教職員等の心情をぜひともお察しいただき、引き続き直接の取材や撮影をご遠慮くださいますよう、なにとぞお願い申し上げます。


 「カトリック新聞」は6月9日付の紙面で、全国805のカトリック学校が加盟する日本カトリック学校連合会の品田典子事務局長による寄稿を掲載。品田氏はこの事件を「想像を絶する悲惨な事件」とし、「たとえどんなに力を尽くしたとしても、人間の力では防ぎようのない理不尽な出来事が、この世界には確かに起こるのだということを改めて痛感させられた」「極めて不条理な出来事に対して、私たちはどのように向き合うことができるのでしょうか。一人一人に問い掛けられています。やがていつの日か、神ご自身が『彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる』(黙示録21・4)ことに信頼し、いまは〝神の沈黙〟の前にぼうぜんと立ち尽くされている関係者の皆さまに心を重ね、祈りをささげます」と記している。

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