教皇がルーマニア訪問 教会の「ロマ」差別を謝罪 2019年6月21日

 教皇フランシスコは、5月31日から6月2日まで3日間にわたり、ルーマニアを訪問した。初日
は首都ブカレスト、2日目は、東北部のスムレウ・チュクとヤシ、最終日に中・北西部のブラジ
で、政界はじめ要人との会見や、ルーマニア正教会とのエキュメニカルな交流、聖母巡礼地でのミ
サや、若者・家族との集いを行った。

 訪問の最終日、教皇は中・北西部、トランシルヴァニア地方の都市、ブラジを訪れ、7人の司教殉教者の列福式を行った。この式で福者の列に加えられたのは、ヴァジレ・アフィテニエ、ヴァレリウ・トライアン、イオアン・スチウ、ティト・リビウ・キネズ、イオアン・バラン、アレキサンドル・ルスの6司教と、イウリウ・ホッス枢機卿の計7人。いずれも、ギリシャ典礼カトリックに属し、共産党独裁政権による激しい迫害下で殉教した。

 ミサの説教で教皇は、ルーマニアのカトリック共同体が、かつて共産独裁と無神論のもとに信仰の自由を奪われ、迫害による大きな苦しみを体験した、その試練の年月を想起した。教皇は、これらの殉教者を「自由」「いつくしみ」「赦し」の証し人として強調。殉教者たちが当時のイデオロギーや無神論と対決したように、今、わたしたちもまた、人間やいのち、家庭の価値をおとしめる、新しいイデオロギーと闘っていかなくてはならないと話した。そして、自由といつくしみを証ししながら、分裂に対して兄弟愛と対話を優先させ、殉教者たちの血による兄弟愛を通してキリスト者間の連帯を育てていくよう、信者らを励ました。

 列福式の後、ブラジ市で最も古い一角であるバルブ・ラウタル地区で、「ロマ」族共同体との出会いを持った。教皇は、「ロマ」族共同体が受けてきた差別や疎外、虐げを遺憾に思い、その悪にキリスト者やカトリック信者たちも無関係ではなかったことを、心に重く受け止めていると述べた。

 教皇は、歴史の中で「ロマ」族の人々が差別され、不当な扱いを受け、偏見にさらされたことを、教会の名において、赦しを乞いたいと願った。また命や家族を大切にする心、連帯や受け入れ、支え、守り合う精神、お年寄りの尊重、生活の中の宗教心、生きる喜びなど、「ロマ」族の人々の特徴であると同時に、私たちが大いに必要としているその価値観を、皆と分かち合うことを恐れないでほしい、と励ました。ルーマニアの欧州議会議員で「ロマ」のダミアン・ドラギチ氏は英公営BBC放送に、「これは私と私の同胞にとって、歴史的な瞬間だ。教皇のこの言葉が、私たちに対する人の態度や偏見を変えることを期待する」と述べた。

 教皇は、この集いをもって、ルーマニア訪問を終了するにあたり、巡礼者・兄弟として訪れた同国で体験した多くの出会いは、自分の心と人々の間に一つの橋をかけることになった、と述べ、豊かな体験への感謝と共に、人々に祝福を贈った。(CJC)

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