【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 ホームレス小谷に学ぶ教会論 キョウカイグリーン 2019年7月1日

 先日、キリスト者以上に主イエスに近い生き方をしている面があるんじゃないかと思う、〝ホームレス小谷〟(本名:小谷真理=まこと)という人物を知った。彼から教会のありようを考えたい。

 お笑い芸人で絵本作家であるキングコング西野亮廣(あきひろ)の家に住んでいた小谷だが、家賃を滞納し、ホームレスの道を選ぶことになる。実際の野宿生活は1~2カ月。SNSで野宿生活や炊き出しに並ぶ姿を発信していくとフォロワーが増えていった。「泊まるところがない」と彼がSNSでつぶやくと、泊める人が現れ、現在では、都内で数十箇所、泊めてくれる仲間がいる。結果、5年以上、野宿しないままのホームレスとなっている。

 ちなみに、彼は1日50円の何でも屋をしている。1日50円で草むしりをしたりする。草むしりをお願いした人も50円では申し訳ないと思い、お昼ご飯だけでなく晩ご飯もご馳走するので、ホームレスでありながら体重は増えていっている。

 そんな小谷が結婚することになった。お金が全然ないので、クラウドファンディングというネット上でお金を集める仕組みを使うことにした。すると、50円でかつて小谷を雇った人たちがたくさんのお金を出資し、160万円以上の金額が集まって、遊園地を借り切って結婚式が行われることになった。50円ぽっちで働かせて申し訳ないという思いや、小谷への感謝が具体的な形になったのだ。

 ホームレス小谷は「お金がなくても困らない」と語る。実際、お金がない中を暮らしているので妙に説得力がある。50円で1日を売る小谷の月収は、どうがんばっても1500円にしかならないので、決して「お金持ち」ではない。しかし、多くの人に感謝され「信用持ち」になっている。だから、泊まるところを求めると提供者が現れる。必要なものがあれば出資してくれる仲間がいる。

 ホームレス小谷の暮らしぶりに、主イエスの「人の子には枕する所もない」(マタイ8:20)「財布も袋も履物も持って行くな」(ルカ10:4)と語ったあの生き方に近いものを感じている。

 クラウドファンディングでの合計調達額が2億円を超えている西野は、「クラウドファンディングは集金装置ではなく、信用の両替機だ」と語る。普段、信用を作れていて、この人のために、このプロジェクトのために出資したいと思わせる関係性ができていないとお金は集まらない。信用を作っている人が信用を両替するのがクラウドファンディングというわけだ。西野自身、クラウドファンディングで資金調達をする直前にはボランティア活動を積極的にするそうだ。

 さて、教会では献金が集まらないという現実がある。献金はネット以前のアナログなクラウドファンディングと言える。果たして、教会は信者に、また教会の周りの人たちに、「この教会のために献金したい」と思えるような信用が築けているのだろうか。1日0円でも50円でもいい。お金がすっからかんのままで教会が地域に仕え、汗を流していたら、教会は、お金はなくても必要は満たされていくのではないか、とホームレス小谷の生き方から思わされているところである。

キョウカイグリーン
 緑方定助(みどりかた・じ ょうすけ)地域のパパ友・ ママ友との交流が広く、日々育児日記をつづってい る育児系ブロガー牧師。何よりも 愛する家族を最優先し、困ったら一目散に逃げる。息子・承太郎といつも一緒。 武器:共感イヤー/必殺技:宣言アタック

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