「少子化と教会離れ」で米政治に激変、とWSJ紙 2019年7月11日

 米国の政治状況が変わってきている、とウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が6月25日、解説記事で報じた。

 最も重要なトレンドは、時に、ありふれた光景の中から見えてくるものだが、そういうトレンドの二つ、米国人が教会へ行く頻度が低下していることと、子どもの数の減少が今まさに進行中であることが新たな世論調査データで分かったという。

 最新のウォール・ストリート・ジャーナルとNBCニュースの世論調査では、教会へ行く頻度が長年の間に確実に低下している。週に1回以上礼拝に参加する米国人の割合は29%で、2000年時点の41%を下回っている。また、礼拝にまったく参加しない米国人の割合は26%で、2000年の14%のほぼ倍。

 こうした教会離れの傾向は、若い米国人の間で最も顕著。18~34歳の米国人で礼拝にまったく参加しない人の割合は、かつては全国平均と違いがなかった。しかし今、同じ年齢層の米国人で礼拝にまったく参加しない人の割合は、以前の倍以上の36%に達している。

 出生率の低下も劇的で、同じくらい深刻な影響を社会に及ぼす。全米保健統計センター(NCHS)は、昨年の米国の出生数が32年ぶりの低水準に落ち込んだと発表した。一方、15~44歳の女性1000人当たりの出生数は、連邦政府が記録を取り始めて以降最低の水準に低下した。

 調査結果は、例外的なものではない。米国の出生数は過去11年のうち10年で減少している。出生率は2007年に始まった厳しいリセッション(景気後退)の間に低下し、その後まったく回復していない。

 こうした傾向は社会的にだけでなく経済的にも多大な影響をもたらす。出生率の低下は、高齢者の年金を支えるための労働人口に加わる新たな米国民が減少傾向にある中で、高齢者・障害者向け公的医療保険(メディケア)や社会保障向けの資金を確保することが一層困難になることを意味する。

 米国の出生率が低下する中、労働力を確保するために移民労働者への需要が高まるが、こうした需要の高まりは強まる反移民感情と真っ向から衝突する恐れがある。

 全体としてみると、これらの傾向は、今後何年かの間に社会の形態に著しい変化をもたらすことを示唆している。一部の人は変化し続ける米国社会の自然の展開を示す兆候だとして受け入れるだろう。一方でこうした傾向は、古きアメリカへの回帰を基本的に訴えているドナルド・トランプ大統領を支持する人々への警告となり、行動を促す動機付けとなりがちだ。いずれにせよ、これらは2020年の大統領選挙で議論する価値のあるテーマである。(CJC)

*写真はイメージ。

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