日本カトリック司教団 ハンセン病に関わる謝罪声明を発表 2019年7月17日

 ハンセン病元患者の家族への損害賠償を国に命じる熊本地裁判決を受けて日本カトリック司教団は7月10日、「ハンセン病回復者のみなさまと家族のみなさま そして、すでに天に召された方々へ」と題する声明を発表した。声明は「ハンセン病患者を隔離し絶滅させるという国策に対し反対することもなく、入所者のみなさまの奪われていた権利の回復を求めるのでもなく、人生被害を増大させたことに気付かず、当事者の権利を守る視点に立てませんでした」とした上で、「長い間、言葉にできないほどの苦しみを与えてしまったことを深く反省」し、「当事者たちの当然の権利を守る視点に立てなかった責任を認め」、ハンセン病患者・回復者、家族とすでに亡くなった当事者へ謝罪の意を表している。全文は以下の通り。


ハンセン病回復者のみなさまと家族のみなさま
そして、すでに天に召された方々へ

 わたしたちカトリック教会の日本司教団は、ハンセン病回復者のみなさまと家族のみなさま、そして、すでに天に召された方々への謝罪を表明いたします。

 まず、これまで「らい予防法」が廃止された1996年、熊本地裁判決において国の責任が認められ、回復者(元患者)に対して補償が行われた2001年、そして、「ハンセン病問題に関する検証会議」が被害の実態と原因、再発防止のための施策を「最終報告書」としてまとめた2005年の折も、司教団として、回復者、家族への謝罪を表明せず、今日に至ったことをお詫びします。

 ハンセン病について世界では、1943年に特効薬プロミンが開発され速やかに治癒する病気になったことを受け、1956年の「ローマ宣言」(患者の保護及び社会復帰に関する国際会議決議)で、「らい予防法」のような差別的な法律の撤廃が宣言されました。にもかかわらず、日本の国策は2001年まで変わらず、終生絶対隔離が続けられました。

 日本の司教団は、ハンセン病患者を隔離し絶滅させるという国策に対し反対することもなく、入所者のみなさまの奪われていた権利の回復を求めるのでもなく、人生被害を増大させたことに気付かず、当事者の権利を守る視点に立てませんでした。そして、ハンセン病患者・回復者、その家族に対し、長い間、言葉にできないほどの苦しみを与えてしまったことを深く反省します。

 現在、全国の療養所に入所されている方々も家族の方々も年を重ね、すでに高齢になられていることを踏まえますと、これ以上の謝罪の遅れは許されません。

 ここに、わたしたち日本のカトリック司教団は、ハンセン病回復者のみなさまと家族のみなさま、そしてすでに天に召された方々に対して、当事者たちの当然の権利を守る視点に立てなかった責任を認め、謝罪いたします。

 そして、今後再び同じような過ちを犯すことのないように、主イエス・キリストに倣って、人を大切にし、人権尊重にもとることのないよう、心より誓うものです。

2019年7月10日
日本カトリック司教団

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