閣僚らの靖国神社参拝に抗議 「歴史に謙虚に向き合い、教訓を学び、誤りを正すべき」 2019年8月16日

 安倍晋三首相及び政府機関が靖国神社に参拝・供物奉納をしないよう要請文を送付していた靖国神社国営化阻止キリスト者グループ(浦瀬佑司委員長)は8月16日、敗戦記念日の15日に2閣僚(代理)と副大臣、政務官ら政府機関役職者(本人または代理)21人が靖国神社に参拝したことを受けて抗議の声明を安倍首相、菅義偉官房長官宛に送付した。声明は、日本武道館で行われた政府主催の全国戦没者追悼式で、安倍首相が「アジア諸国に与えた損害と苦痛」「深い反省」に触れなかった点も指摘した。全文は以下の通り。


内閣総理大臣 安倍晋三 殿
内閣官房長官 菅 義偉 殿

敗戦記念日における、首相および政府機関の靖国神社参拝、供物奉納に対し、強く抗議する。

 先に私たち靖国神社国営化阻止キリスト者グループは、首相及び政府機関が靖国神社に参拝・供物奉納をしないよう要請文を送付した。しかし、今年もまた、2閣僚(代理)と副大臣、政務官ら政府機関役職者(本人または代理)21名が靖国神社に参拝した。また、安倍内閣総理大臣は、稲田首相補佐官が代理で、私費ではあるが玉ぐし料を奉納した。安倍内閣総理大臣の敗戦記念日における玉串料等の奉納は第2次安倍政権発足以来、7年連続になる。同日、日本武道館で行われた政府主催の全国戦没者追悼式で、安倍首相は、歴代首相が言及した「アジア諸国に与えた損害と苦痛」、「深い反省」にはふれなかった。

 今、日韓関係は信頼と友好の関係から大きく後退し、不信と非難の応酬の状態に陥っている。これは、とくに「慰安婦問題」と「徴用工問題」の解決に向けての取り組みの問題が発端であり、戦後清算の問題であり、安倍政権の歴史認識に起因している。戦前においては、靖国神社は戦没者慰霊の施設であるだけでなく、日本の植民地支配と侵略戦争を遂行するため、国民を戦争に動員する国営の神社であった。そして、戦後の民主化改革によりその在り方が根本的に変わったにもかかわらず、いまもなお、かつての植民地支配と侵略戦争を正当化する拠点としての役割を担っている。安倍政権のめざす「戦後レジームからの脱却」は、民主化改革と戦後清算を否定するものであり、アジア諸国が決して受け入れることのできない主張である。そして、日本国憲法の3原則を変えてはならないという思いは大多数の日本の市民の願いである。

 日本国憲法の基本原理である、国民主権、基本的人権の保障、平和主義を政府は厳守する事が、憲法第99条において義務づけられていることを無視してはならない。

 政府機関による靖国神社参拝、供物奉納は日本国憲法に明らかに違反するものである。歴史に謙虚に向き合い、教訓を学び、誤りを正すべきである。

 以上の理由により、この度の安倍首相の靖国神社への供物奉納、政府機関の靖国神社参拝に強く抗議する。

2019年8月16日

靖国神社国営化阻止キリスト者グループ
委員長 浦瀬佑司

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