性教育研究会で井川昭弘氏が警鐘 「多様性」言説の「イデオロギー化」 2019年9月11日

 キリスト教性教育研究会(水谷潔会長=日本福音キリスト教会連合春日井聖書教会協力牧師)が主催する公開研究大会が8月15日、日本基督教団富士見町教会(東京都千代田区)で開かれ、約50人が参加した。12回目を迎える今回は「結婚まで待つことの意義と課題」という総テーマのもと、井川昭弘氏(八戸学院大学准教授、カトリック塩町教会信徒)=写真右から2人目=が「価値観多様化時代の性教育」と題して基調講演。次いで上中光枝(日本ホーリネス教団旗の台キリスト教会牧師)、宇賀飛翔(OneHope日本ディレクター)、テモテ・コール(ファミリー・フォーラム・ジャパン代表=当日は動画のみの参加)の3氏がそれぞれ、教会、学校、家庭の現場から実践報告を行った。

 井川氏は「価値観の多様化」と性教育との関係をどうとらえるかを倫理学の理論面に絞って考察。今日の「多様性」言説の背後には、ドイツを起源とする「価値相対主義」、アメリカを起源とする「自由主義的個人主義」、フランスを起源とする「ポスト・モダニズム」があるとし、性的指向と性自認の「自由な選択」という「グローバル性革命」の潮流に警鐘を鳴らし、「自己決定は客観的道徳規範(自然法)に従ったものであるべき」「男女の性区分は生物学的な事実であり、性役割の違いも歴史的・人間学的に一定の合理性を持った事実」「個人に対する配慮に満ちた対応、支援は重要だが、イデオロギーや政治運動化した動きには賢明な対応が必要」と主張した。

 カトリック教会の内情に関する質問に対しては、「現実には日本のカトリック教会内では(私のような立場は)マイノリティだが、本来のカトリック的な考えだと思う。司祭による性虐待と独身性は無関係。独身だから性虐待に走るというのは論理の飛躍」と応じた。

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