信仰「二世」らの被害実態 日本脱カルト協会が報告 2019年9月11日

 日本脱カルト協会(JSCPR、西田公昭代表理事)は8月24日、立正大学(東京都品川区)で夏季公開講座「子どもの虐待と家族・集団の構図」を開催した。外部からは見えにくい集団や家族内での虐待の背景を探り、その解決のために必要な具体的対応や支援の方法、連携のあり方を当事者や専門家と共に考えるというもの。

 はじめに同会理事の山本ゆかり氏(自己啓発セミナー系団体ホームオブハートの脱会者による「MASAYA」こと倉渕透グループ問題を考える会代表)が、集団・家族内での強固な信念や信仰に基づく虐待事例、カミングアウトした「二世」による書籍、社会における対応の現実などを紹介。次いで「スピリチュアル・アビューズとは何か」と題する藤田庄市氏(ジャーナリスト、写真家)の講演と楠山泰道氏(日蓮宗大明寺住職、立正福祉会「青少年心の相談室」元室長)との対談、家に帰れない女性のためのケアハウス「いのちの家LETS」に携わる竹迫之(日本基督教団白河教会牧師)、松田彩絵(LETS仙台所長、社会福祉士)の両氏による報告が行われた。

 自身も「統一協会」(現・世界平和統一家庭連合)からの脱会経験を持つ竹迫氏は、信者同士で結婚することが教義上重要な事柄として定められているカルトの実態や、合同結婚で生まれた「祝福二世」とそれ以外の「信仰二世」との差別、恋愛を禁じられた「二世」の境遇などについて紹介。一般的な虐待と異なるカルトにおける「宗教的虐待」の特徴として、「精神的虐待だけに収斂されない」「虐待の動機や衝動、手法が所属する教団(外部)の価値基準に依拠するため、類似の被害が複数起こる」「可視化されにくい」点を挙げた。今年5月に立ち上げた「LETS仙台」で、脱会者を含む生活困窮者の自立支援に携わる松田氏は、児童福祉や社会福祉の有資格者が宗教に関する知識、情報を共有することの重要性を訴えた。

 講演の後、鈴木エイト氏(ジャーナリスト)の司会によるクロストークセッションが行われ、参加した元信者や救援活動に携わる関係者らが、今後の課題などについて議論を交わした。

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