「異端カルト110番」専門家らと10月から始動 情報収集、相談窓口として 2019年9月11日

 韓国、中国などで猛威を振るうキリスト教系異端やカルト団体(セクト)について最新の情報、資料を日本語に訳して配信する「異端カルト110番」が10月に本格始動する。2010年に設立した「日本キリスト教異端相談所」が運営母体となり、日本のキリスト教会を対象にした異端、カルト問題専門の情報サイトを開設し、分かりやすい言葉で正確な情報を届ける。教派を超えて、異端問題に詳しい専門家、牧師、有識者らがアドバイザーとして加わるという。10月3日には午後2時半から、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で開設感謝礼拝も予定。「日本のキリスト教会、クリスチャンを異端の脅威から守りたい」と語る代表の張清益氏(チャン・チョンイク、単立とねりキリスト教会牧師)に、立ち上げの意義などについて聞いた。

これ以上、被害者が生まれないよう
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――これまでの異端との関わりについて教えてください。

 私が異端カルトに関わるようになったきっかけは、1人の「統一協会」(現・世界平和統一家庭連合)の青年との出会いでした。当時、私は早稲田大学の学生に福音を伝えたいという思いがあり、大学に近い新宿に住んでキャンパスに出向き青年たちに伝道していました。

 ある時、戸山公園で大きな木に手をかざして一生懸命にお祈りをしている青年に出会いました。気になったので、祈り終えて帰ろうとした彼に尋ねると、お祈りをしていたと言うのです。それから会話が始まり、彼を私の家に招いて夜中まで話をしました。彼は20代の日本人青年でしたが、「統一協会」に何の疑いももたず、文鮮明をメシアと信じていました。彼とはそれから何度も話し合い、最終的に彼は「統一協会」を脱会しました。これが、私が異端カルトと関わった初めての経験でした。

 本格的に「統一協会」について学ばなければいけないと考え、韓国の本部に行きました。「日本から来たプロテスタントの牧師です」と名乗り、文鮮明の教えを聞きに来たと伝えると歓迎され、3カ月間、向こう側の牧師と1対1で学びました。そこで洗脳の手口が分かりました。

 帰国後、組織的な対策が必要と考え、「日本キリスト教異端相談所」を立ち上げ、相談活動が始まりました。呼ばれれば韓国の異端の話をしますし、個人的な相談、カウンセリングという働きもしています。

――今回、新たに「異端カルト110番」を開設するに至った経緯は?

 日本には韓国の異端に関する情報が不足しています。韓国で「異端である」と決議されたとの情報が出ても、日本人の先生方は韓国語の情報を読むことができません。これまでも、日本人の牧師から「韓国の資料がほしい」と言われることがたびたびありました。韓国の異端カルトの情報を、リアルタイムでいち早く日本語で読めるような、まとまったサイトが必要だと思います。

 例えば、異端問題に関わっている牧師が、それぞれの分野について発信する個人ブログはありますが、まとまったものはありません。韓国キリスト教の全体像が見えるような情報は皆無です。電話やメールをしてきた方に、個々に対応することもさることながら、もっと組織的に韓国の異端カルトの情報をリアルタイムに正しく伝えなければなりませんし、そうすることで、より効果的な対策にもつながると考えています。

 現在、さまざまな異端カルト団体が、韓国の主要教団においてどのように「決議」されているかについて、私情を挟まずに客観的な情報を伝え、最終的な判断を読み手に委ねるというスタンスを考えています。

 原点にあるのは、異端カルトによって生活、人生を破壊された被害者の方々の悲惨な状況です。私は韓国人である以上、韓国の異端カルトによる被害に関して道義的な責任を負っていますし、これ以上、日本の中で被害者が出ないようにというのが私の願いです。

――韓国のキリスト教については確かに分かりにくい側面があります。

 それほど複雑だということです。例えば「韓国基督教総連合会」(CCK)は「韓国のキリスト教会を束ねる、日本におけるJEA(日本福音同盟)のような団体だろう」と思われています。そこで出した声明文や結果から「韓国の教会は、こういう考え方をしているのだ」という判断をしてしまいがちなのです。しかし、CCKは、その中に「異端対策委員会」も設置され、名前にふさわしい活動をしていた時期もありますが、現在は性質が異なります。さまざまな形で「異端カルト認定を解除するように」と圧力をかけるロビー活動が行われ、莫大な資金も流れています。そうした事態を受けて、主要教団のほとんどがCCKを離脱してしまい、骨抜きの状態になっています。最近の発表によれば、CCKに加入している教会は、韓国の教会全体のわずか2%に過ぎません。しかし、「韓国基督教総連合会」という名称はそのまま使用されており、韓国の一般メディアも国民も惑わされています。まして事情が分からない日本の牧師は、「CCKが認めた」という書類を見せられれば納得してしまうのです。

――異端カルト問題に関して、私たちに必要なことは?

 韓国、あるいは韓国の教会に親近感を抱くのは良いことですが、それが悪用されてしまうこともあります。純粋であることは決して悪いことではありませんし、すべて疑えとは言いませんが、やはり韓国の教会からの申し出についても、あらかじめどんな団体であるか慎重に吟味する必要があると思います。表面的な熱心さだけでなく、その前の段階で、どこの団体、教団に属していたのかを聞かなければなりません。そういう場面での相談窓口として「異端カルト110番」を利用していただきたい。それが日本の教会を守っていく一つの道ではないかと思います。

 新天地(新天地イエス教証しの幕屋聖殿)に限って言えば、違う教会に行く時には偽名を使うんです。そうすると、教会側にはまったく見分けがつきませんので、写真などを共有しなければなりません。少しでも怪しいと思ったら、その人の経歴を確認する必要があります。

――ありがとうございました。

 「異端カルト110番」に関する問い合わせは張清益(Tel 080-9150-0691)まで。日本のキリスト教界を守り、有益な情報発信を継続して行うための支援金も呼び掛けている。送り先は、ゆうちょ銀行10010‒61980881「日本キリスト教異端相談所(ニホンキリストキョウイタンソウダンジョ)」。

 チャン・チョンイク 1990年、韓国から来日。99年、関西学院大学文学部卒業。2003年、聖契神学校卒業。世界的な異端カルト問題の権威である陳用植(チン・ヨンシク)牧師に師事。10年、日本キリスト教異端相談所を設立。11年、単立とねりキリスト教会創立。韓国の大韓イエス教長老会
合同派所属。

10月3日にオープンする「異端カルト110番の」サイト

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