教皇フランシスコ来日でスケジュールが正式決定 2019年9月21日

 日本カトリック司教協議会(会長・髙見三明=カトリック長崎大司教)は9月13日、バチカン(ローマ教皇庁)が教皇フランシスコの訪日を正式に発表したと報告した。教皇の来日は1981年の第264代教皇ヨハネ・パウロ二世以来、38年ぶり2度目。教皇来日にあたって「すべてのいのちを守るため~PROTECT ALL LIFE」をテーマに掲げ、ロゴマークも公開した。同テーマは、教皇の回勅『ラウダート・シ』(2015年発表)巻末に収められている「被造物とともにささげるキリスト者の祈り」から取られた。今後、行事日程やミサの詳細、関連情報などを随時、特設サイト(https://popeinjapan2019.jp)などを通じて発表していく予定だという。

 日程は11月23日から26日までの4日間で、東京、長崎、広島を訪問。「死刑廃止」を提唱する教皇として、死刑が確定し再審請求中のカトリック信徒、袴田巌さんと面会できるよう調整中とも報じられている。特設サイトでは11月24日(午後1時半~同3時半)にビッグNスタジアム(長崎県営野球場)、25日(午後3時半~同5時45分)に東京ドームで行われるミサの参加申し込みを受け付けるほか、自身の顔写真と短いメッセージを寄せて、来日記念ポスターに参加できるモザイクアートプロジェクトの受け付けや、来日記念オフィシャルグッズの販売なども行う。

 また、公式のツイッター(https://twitter.com/pope_in_japan)、インスタグラム(https://www.instagram.com/pope_in_japan/)、フェイスブック(https://www.facebook.com/POPE.IN.JAPAN.OFFICIAL/)も同時に公開され、随時最新の情報が配信されている。

 教皇が移動する際には、水素を燃料とし、環境に優しい燃料電池車などに乗る予定であることも分かった。東京ドームで行われる大規模ミサに出席する際には、野球などの試合でグラウンド上を走る電動カートに乗車する方向で調整されている。

 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、教皇の訪問について「国際社会に対し、被爆の実相に関する正確な発信を行う上で重要だ」とし「今回の訪問が日本とバチカンの両国関係を一層強化することを期待する」と述べた。安倍晋三首相は2014年、バチカンを訪問した際に教皇の訪日を要請。18年5月には田上富久・長崎市長が松井一実・広島市長との連名で訪日を要望する親書を手渡した。教皇は昨年12月、2019年末までに訪問する意向を示していた。

教皇の長崎・広島訪問に両県では歓迎と期待の声

 教皇来日の公表を受けて訪問地の長崎、広島では歓迎と期待の声が上がった。長崎新聞によると教皇は24日に長崎市入り。爆心地公園と日本二十六聖人殉教地を訪ね、県営ビッグNスタジアムで大規模ミサを開催後、広島へ移動する。中村法道長崎県知事は「県民と共に心から歓迎したい」と喜んだ。世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」についても、教皇には「できれば歴史に触れていただきたい」と述べた。

 被爆後の長崎で撮影したとされる「焼き場に立つ少年」の写真に関心を寄せる教皇は、長崎から世界へ核兵器廃絶を訴える見通しだ。田上富久長崎市長は「『長崎を最後の被爆地に』との願いを込めた未来へ続くメッセージを発信していただきたい」と期待した。「数ある国々の中でキリスト信者が極めて少ない日本に来てくださる」。カトリック長崎大司教区の高見三明大司教はこう感謝し、平和のために「私たちも具体的な行動を取らないといけない」と決意を示した。

 広島県内で上がった歓迎の声について朝日新聞広島版が報じた。1981年に故ヨハネ・パウロ2世が来日した際には、広島で平和記念資料館を見学し、原爆慰霊碑前で「ヒロシマを考えることは、核戦争を拒否すること」と核兵器廃絶を呼びかけた。カトリック広島司教区によると、教皇は今回、11月24日夕方に広島に到着し、同日中に東京に移動する予定。短い滞在だが被爆者との面談も検討されているという。白浜満司教は「平和記念公園で戦没者や被爆者の方のために祈ってほしい」と期待した。

 81年に資料館長だった高橋昭博さん(2011年に80歳で死去)の妻史絵さん(82)=広島市西区=は「資料館はぜひ見学していただきたい」と求める。ヨハネ・パウロ2世は資料館で顔をしかめながら遺品と向き合った。史絵さんは「夫はいつも『核軍縮ではなく核廃絶なんだ』と言っていた。国際情勢が険しい中、ローマ教皇にそういったメッセージを強く発信していただければ」と話す。

 湯崎英彦広島県知事は、取材に対し「教皇は核兵器廃絶に並々ならぬ決意をお持ちの方。世界平和へ向けた強いメッセージを期待している」と語った。(CJC)

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