【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 たとえみんな違っても キョウカイイエロー 2019年10月21日

 「神」が死んだ。この世界に数々のアイドルを生み出した「神」がこの世を去ったのだ。彼は神ではない。だから私はこういう日が来ることは覚悟していたが、もう「神」がアイドルを生み出すことはないんだな、と思うととても哀しく思った。「神」の死後、生み出されたアイドルたちが活動を休止したり、去っていったり、「終末」感が漂っている。

 「神」の創り出した世界は愛と多様性に満ちあふれていた。彼の生み出したアイドルやグループはカラフルだ。多様な好みを持つ人々をあぶれることなくうまくすくい上げ、愛を与え、癒し、虜にさせていった。そして、実生活に色を見出せなかった人々の人生に彩りを添えた。現実では苦しくても、アイドルのことを考えれば今日も乗り越えていける、と思えた人は多い。彼のすべてを賞賛することはできないが、「神」はまさに生きる希望を与えた。

 牧師やキリスト者である私たちは、どれほど神の愛と救いの希望を人々に伝えられているだろうか。この「事務所」ができていることを、日本のキリスト教界が十分にできていないことにもどかしさを覚える。

 私は多様な人々を受け入れ、愛されたイエス様に倣いたい。しかし、現実の教会では、会話や新来会者カードなどから、性別、学校、仕事や結婚、子どものことまで聞かれてしまう。「普通の人」らしさからあぶれてしまった人は生きづらさを覚え、ここにも自分の居場所はないのか、と思うだろう。神様は、性別が分からない人も、学校に行っていない人も、仕事をしていない人も、結婚しない人も、子どもを産まない人も、「普通の人」も愛してくださるのに、私たちはなんて未熟で愛することが下手なんだろう。

 動画配信サービスNetflixに『クィア・アイ』という番組がある。ある分野のプロであるゲイ5人組(ファブ5)が、さまざまな悩みを持つ一般人の心も身体も変えていくというリアリティ番組だ。ある回で信心深いキリスト教徒の家庭が登場した。その家庭の父親は最後にこう話していた。「同性愛は許されないと教えられて育ったが、自分たちが他人に心を開く機会にしようと思い、ファブ5を愛していることを知ってほしいと願った。共に過ごした日々を通し、自分と異なる人を愛することをファブ5が教えてくれた。子どもたちは違いがあっても同じ人間なのだと学ぶことができて感謝している」と。私たちは自分と違ったり、間違っていると見なす人がいると相手を変えようと思ってしまうけれども、そういう時こそ自分を見つめ直し、相手に愛を伝えることが大切なのだと気付かされた回だった。

 私たちはみんな違う。しかし、その私たちの間にイエス様がいてくれるから、私たちはその違いを乗り越えて共に生きていけるのだと思う。しかし、その違いによって痛みや孤独を抱えている人たちがいる。慰めを受け、癒しが与えられ、明日を生きる希望が与えられなくては、この社会を生き抜き、この社会で闘うことはできない。教会を、学校を、家庭をそういった場所にしていこう。キョウカイイエロー、キョウカイジャーとしての活動は止まっても、キリスト者としての奮闘はまだまだ続きそうです。

キョウカイイエロー
 
黄野美晴(きの・みはる) ノリがよく、歌やダンスが大好きなジャニヲタ系ミーハー牧師。実は男性アイドル好き の腐女子。聖書科教師も兼任。泣き虫 で浪費家。武器:ソーテール・シール ド(ウチワ型の盾)/必殺技:キュリ オス・ロゴス・フォース(ペンライト から光を発する)/弱点:イケメン。 熱しやすく冷めやすい。

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